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Shopify Flow のテストが変わっていた — 実データからテストイベントを作る機能を、まだ使っていない店へ

2026 8/31
2026年8月31日
Shopify Flowのテストイベント機能のアイキャッチ:自動化は止まらずに静かにずれるという論点を解説

① 何が変わったか

🔴 先にお断りしておきます。これは最近のニュースではありません。2026年5月14日の変更です。
3ヶ月以上前に入った機能ですが、まだ使っていない店に向けて解説として書いています。

出典: Shopify Changelog「Flow: Make test events for your workflows with existing shop data」2026年5月14日
https://changelog.shopify.com/posts/flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows

※ この記事のURLは flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows ですが、ページに表示されている題名は “Flow: Make test events for your workflows with existing shop data” です。
公開後に題名が変わり、URLだけが旧題名のまま残っているものと見られます(Shopify側の事情は公式に説明がありません)。
本記事は ページに表示されている現在の題名を正としています。

公式本文に書かれている内容は、次のとおりです。

  • 既存のショップデータ(実際の注文など)を使って、ワークフローをより簡単にテストできるようになった
  • 公式が挙げている例:「最近の注文が不正なものだったとして、次の不正注文をブロックするワークフローを作ったとする。その不正注文を選んで、実際に動くかを確かめられる。他の注文をブロックしないことを確かめるテストも追加できる」
  • さらに、「Generate test events」を押すと、Sidekick がワークフローを解析し、ワークフロー内の論理的な分岐をテストするための実際のショップデータを探す
  • 各テストイベントには、ワークフローをテスト実行するために必要なデータが含まれる
  • 🔴 生成されたケースは確認し、当てはまらないものは編集・削除し、自分で追加する。追加の設定なしでそのままテストできる(公式の指示)

🔴 公式に「書かれていないこと」

  • Sidekick の対応言語や、日本語環境での挙動について記載がありません(未確認)
  • テストの実行が、実際のアクション(メール送信・返金など)を発生させるのかどうかが書かれていません(未確認・④で扱います)
  • 利用できるプランの条件が、この Changelog 本文には書かれていません

② いつから/誰に効くか

項目 公式に書かれていること
提供時期 2026年5月14日。すでに管理画面にあります
対象 Shopify Flow を使っている店
追加設定 不要(”no further setup required”)

Shopify Flow が使えるプランの条件は、この Changelog 本文には書かれていません。
自店で Flow が使えるかどうかは、Shopify Flow アプリの提供条件をご確認ください。

Flow を使っていない店には、関係のない記事です。(そして、③を読んでも この機能のために Flow を導入する理由にはなりません。)


③ 現場では何が起きるか

私たちは200社以上のECサイト制作・改善に関わってきました。その実地から、なぜ3ヶ月前の機能をいま解説しているのかを書きます。

🔑 自動化の怖さは「動かないこと」ではなく「間違って動くこと」です

自動化が動かなければ、すぐ気づきます。誰かが手で処理することになるからです。

問題は、間違った条件で動いてしまう場合です。
タグ付けの自動化がずれていても、実害が出るまでには時間があります。
ですが 注文を止める・返金する・在庫を動かす・顧客にメールを送る — この種の自動化が誤爆すると、実害が出てから気づくことになります。
しかも、止まっていないので、誰も見に行きません。

作った直後に1回テストして、そのままになっていないか

実地の観察として書きます。
Flowのワークフローは、作った直後にテストされ、その後は触られないまま動き続けます。

そのあいだに店の側は変わります。

  • 商品構成が変わる
  • タグの付け方が変わる(担当者が代わると、まず変わります)
  • 連携しているアプリが入れ替わる
  • 送料設定や販売チャネルが増える

条件分岐が、作ったときと違う枝を通るようになっても、誰も見ていません。
ワークフローは「エラー」を出さずに、静かに違う動きをします。

「AIがテストを作る」より、「実データでテストできる」ほうが本体です

この機能の見出しはAIの側にありますが、運用で効くのは実データのほうです。

架空のテストデータでは、分岐が通ってしまいます。
テスト用に作ったきれいな注文は、条件をすんなり満たします。
実際の注文は、そうなっていません。タグが付いていない、住所が想定と違う、商品の組み合わせが想定外 — 分岐が想定外の枝へ行くのは、こういう注文です。

実際にあった注文でテストできることが、この機能の中身です。

🔴 AIが作ったテストケースを、そのまま信じないこと

公式自身が 「確認し、当てはまらないものは編集・削除し、自分で追加してください」 と書いています。
これは検証を助ける道具であって、検証の代わりではありません。

Sidekick が見つけてくるのは「分岐を通す実データ」であって、「あなたの店にとって正しい結果」ではありません。
テストが通ったことと、そのワークフローが正しいことは別です。


図1:どの自動化から確かめるかの2つの分かれ目。1つ目は誤爆したとき何が起きるか(返金・注文キャンセル・在庫調整・顧客への自動メールは実害が出てから気づくため先に確かめる。タグ付けや社内通知は後回しでよい)。2つ目は何でテストしているか(架空のテストデータは条件をすんなり満たして通ってしまうが、実際にあった注文はタグが無い・住所が違うなど想定外の枝へ行く)。テスト実行が実際のアクションを発生させるかは公式に書かれていない。

④ 今すぐやること/様子見でいいこと

Flowを使っている店(今すぐ・30分)

  1. 稼働中のワークフローを1本開き、「Generate test events」を押して、Sidekick がどの分岐を想定したかを見る。
    🔑 ここが本当の目的です。想定した分岐が自分の理解と違っていたら、そのワークフローは、あなたが思っている動きをしていません。
  2. 優先順位は、お金と在庫が動く自動化から。
    返金・注文キャンセル・在庫調整・顧客への自動メール。タグ付けは後回しで構いません。
  3. 🔴 テスト対象の注文を選ぶ前に、「実行して外部に何かが送られないか」を確認してください。
    実データを使うということは、実在する顧客の注文を扱うということです。
    テスト実行が実際のメール送信や返金を起こすかどうかは、公式の Changelog には書かれていません。
    外部に影響が出る種類のワークフローでは、これを確かめてから実行してください。

様子見でよいこと

  • Flow を使っていない店 — 何もしなくてよいです。
    この機能のために Flow を導入する理由にはなりません。 Flow を入れるかどうかは、自動化したい作業があるかどうかで決めてください。

出典

  • Shopify Changelog「Flow: Make test events for your workflows with existing shop data」2026年5月14日
    https://changelog.shopify.com/posts/flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows
    (🔴 URLのスラッグは旧題名 flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows のままですが、ページに表示されている題名は上記です)

本記事は上記の公式 Changelog を一次情報として作成しています。
Changelog に書かれていない事項(Sidekick の対応言語・日本語環境での挙動、テスト実行が実アクションを発生させるか、利用可能なプランの条件)は、
本記事執筆時点で公式に記載がないため「未確認」 として扱い、推測で補っていません。


この記事について

キクシル編集部(運営: 株式会社ギャザリング)
Shopify・EC の公式アップデートを、200社以上のEC制作・改善の実地から読み解いています。

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さっぱりした性格で、率直。テンションは一定で、感情に流されない。褒めるときは短く的確、厳しいこともちゃんと言うが、人格否定はしないフェアさがある。遠回りが嫌いで、結論までの道筋をシンプルにしたがる。

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