① 何が変わったか
🔴 先にお断りしておきます。これは最近のニュースではありません。2026年5月14日の変更です。
3ヶ月以上前に入った機能ですが、まだ使っていない店に向けて解説として書いています。
出典: Shopify Changelog「Flow: Make test events for your workflows with existing shop data」2026年5月14日
https://changelog.shopify.com/posts/flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows
※ この記事のURLは flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows ですが、ページに表示されている題名は “Flow: Make test events for your workflows with existing shop data” です。
公開後に題名が変わり、URLだけが旧題名のまま残っているものと見られます(Shopify側の事情は公式に説明がありません)。
本記事は ページに表示されている現在の題名を正としています。
公式本文に書かれている内容は、次のとおりです。
- 既存のショップデータ(実際の注文など)を使って、ワークフローをより簡単にテストできるようになった
- 公式が挙げている例:「最近の注文が不正なものだったとして、次の不正注文をブロックするワークフローを作ったとする。その不正注文を選んで、実際に動くかを確かめられる。他の注文をブロックしないことを確かめるテストも追加できる」
- さらに、「Generate test events」を押すと、Sidekick がワークフローを解析し、ワークフロー内の論理的な分岐をテストするための実際のショップデータを探す
- 各テストイベントには、ワークフローをテスト実行するために必要なデータが含まれる
- 🔴 生成されたケースは確認し、当てはまらないものは編集・削除し、自分で追加する。追加の設定なしでそのままテストできる(公式の指示)
🔴 公式に「書かれていないこと」
- Sidekick の対応言語や、日本語環境での挙動について記載がありません(未確認)
- テストの実行が、実際のアクション(メール送信・返金など)を発生させるのかどうかが書かれていません(未確認・④で扱います)
- 利用できるプランの条件が、この Changelog 本文には書かれていません
② いつから/誰に効くか
| 項目 | 公式に書かれていること |
|---|---|
| 提供時期 | 2026年5月14日。すでに管理画面にあります |
| 対象 | Shopify Flow を使っている店 |
| 追加設定 | 不要(”no further setup required”) |
Shopify Flow が使えるプランの条件は、この Changelog 本文には書かれていません。
自店で Flow が使えるかどうかは、Shopify Flow アプリの提供条件をご確認ください。
Flow を使っていない店には、関係のない記事です。(そして、③を読んでも この機能のために Flow を導入する理由にはなりません。)
③ 現場では何が起きるか
私たちは200社以上のECサイト制作・改善に関わってきました。その実地から、なぜ3ヶ月前の機能をいま解説しているのかを書きます。
🔑 自動化の怖さは「動かないこと」ではなく「間違って動くこと」です
自動化が動かなければ、すぐ気づきます。誰かが手で処理することになるからです。
問題は、間違った条件で動いてしまう場合です。
タグ付けの自動化がずれていても、実害が出るまでには時間があります。
ですが 注文を止める・返金する・在庫を動かす・顧客にメールを送る — この種の自動化が誤爆すると、実害が出てから気づくことになります。
しかも、止まっていないので、誰も見に行きません。
作った直後に1回テストして、そのままになっていないか
実地の観察として書きます。
Flowのワークフローは、作った直後にテストされ、その後は触られないまま動き続けます。
そのあいだに店の側は変わります。
- 商品構成が変わる
- タグの付け方が変わる(担当者が代わると、まず変わります)
- 連携しているアプリが入れ替わる
- 送料設定や販売チャネルが増える
条件分岐が、作ったときと違う枝を通るようになっても、誰も見ていません。
ワークフローは「エラー」を出さずに、静かに違う動きをします。
「AIがテストを作る」より、「実データでテストできる」ほうが本体です
この機能の見出しはAIの側にありますが、運用で効くのは実データのほうです。
架空のテストデータでは、分岐が通ってしまいます。
テスト用に作ったきれいな注文は、条件をすんなり満たします。
実際の注文は、そうなっていません。タグが付いていない、住所が想定と違う、商品の組み合わせが想定外 — 分岐が想定外の枝へ行くのは、こういう注文です。
実際にあった注文でテストできることが、この機能の中身です。
🔴 AIが作ったテストケースを、そのまま信じないこと
公式自身が 「確認し、当てはまらないものは編集・削除し、自分で追加してください」 と書いています。
これは検証を助ける道具であって、検証の代わりではありません。
Sidekick が見つけてくるのは「分岐を通す実データ」であって、「あなたの店にとって正しい結果」ではありません。
テストが通ったことと、そのワークフローが正しいことは別です。

④ 今すぐやること/様子見でいいこと
Flowを使っている店(今すぐ・30分)
- 稼働中のワークフローを1本開き、「Generate test events」を押して、Sidekick がどの分岐を想定したかを見る。
🔑 ここが本当の目的です。想定した分岐が自分の理解と違っていたら、そのワークフローは、あなたが思っている動きをしていません。 - 優先順位は、お金と在庫が動く自動化から。
返金・注文キャンセル・在庫調整・顧客への自動メール。タグ付けは後回しで構いません。 - 🔴 テスト対象の注文を選ぶ前に、「実行して外部に何かが送られないか」を確認してください。
実データを使うということは、実在する顧客の注文を扱うということです。
テスト実行が実際のメール送信や返金を起こすかどうかは、公式の Changelog には書かれていません。
外部に影響が出る種類のワークフローでは、これを確かめてから実行してください。
様子見でよいこと
- Flow を使っていない店 — 何もしなくてよいです。
この機能のために Flow を導入する理由にはなりません。 Flow を入れるかどうかは、自動化したい作業があるかどうかで決めてください。
出典
- Shopify Changelog「Flow: Make test events for your workflows with existing shop data」2026年5月14日
https://changelog.shopify.com/posts/flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflows
(🔴 URLのスラッグは旧題名flow-sidekick-generates-test-cases-for-your-workflowsのままですが、ページに表示されている題名は上記です)
本記事は上記の公式 Changelog を一次情報として作成しています。
Changelog に書かれていない事項(Sidekick の対応言語・日本語環境での挙動、テスト実行が実アクションを発生させるか、利用可能なプランの条件)は、
本記事執筆時点で公式に記載がないため「未確認」 として扱い、推測で補っていません。
この記事について
キクシル編集部(運営: 株式会社ギャザリング)
Shopify・EC の公式アップデートを、200社以上のEC制作・改善の実地から読み解いています。

