開発者向けの変更で、Shopify のストアが UCP の location の能力に対応しました。
UCP は、AIエージェントが店と買い物のやり取りをするための共通の取り決めです。
掲載は2026年10月22日で、場所は Shopify の開発者向けの Changelog(更新情報)です。
出典: Shopify Developer Changelog「Discover a merchant’s retail stores with UCP location search and lookup」2026年10月22日
https://shopify.dev/changelog/discover-a-merchant-s-retail-stores-with-ucp-location-search-and-lookup
対象の版は UCP 2026-08-25 で、フラグは New、面は UCP です。
新しい能力は dev.ucp.common.location.search と dev.ucp.common.location.lookup の2つです。
開発者の側で、いま店舗の情報を使っていなければ、変更は要りません。
あなたの店に実店舗があるなら、次の2つの節から読んでください。
AIエージェントは、店の実店舗について何ができるようになるのでしょうか?
この能力を使うと、AIエージェントは店の実店舗を見つけ、名前・市区町村・距離で絞り込めます。
買い手の欲しい商品を、どの店舗が扱っているかも確かめられます。
When you negotiate these capabilities over the storefront MCP endpoint, your agent can find a merchant’s physical stores, narrow them by name, city, or distance, and check which stores carry the items a buyer wants. This is an optional new capability and doesn’t require changes if you don’t use locations today.
(storefront MCP のエンドポイントでこの能力を取り決めると、エージェントは店の実店舗を見つけ、名前・市区町村・距離で絞り込み、買い手の欲しい商品を扱う店舗を確かめられます。これは任意の新しい能力で、いま店舗の情報を使っていなければ変更は要りません)
使う場所は、storefront MCP のエンドポイント(接続先のアドレス)です。
MCP は、AIエージェントが外部のツールとつながるための接続のことです。
原文の位置づけは、任意(optional)の新しい能力です。
どんなストアに、この能力が載るのでしょうか?
原文は、実店舗を持つストアだけが、この能力を発見用のプロフィールに載せると書いています。
プロフィールの場所は /.well-known/ucp です。
Storefronts with at least one retail location now list both location capabilities in their discovery profiles at /.well-known/ucp. A retail location is an active, merchant-managed location that the merchant set up to sell in person and enabled as a Physical storefront.
(実店舗を1つ以上持つストアは、発見用のプロフィールに location の能力を2つとも載せるようになりました。実店舗とは、店が自分で管理する有効なロケーションで、対面で売るために設定し、Physical storefront として有効にしたものです)
対象は、実店舗(retail location)を1つ以上持つストアです。
ここでの実店舗は、有効で、店が管理し、対面販売のために設定し、Physical storefront(実店舗としての設定)を有効にしたロケーション(店の拠点)を指します。
Shops without a retail location don’t advertise these capabilities or tools.
(実店舗を持たないストアは、この能力もツールも示しません)
あなたの店がネットだけで売っているなら、この能力は出てきません。
あなたの店のロケーションが上の条件に当てはまるかは、設定を見てください。
使えるツールは、どんなものでしょうか?
能力を取り決めると、ストアの MCP のエンドポイント {storedomain}/api/ucp/mcp で、ツールが2つ使えます。
search_locations と lookup_locations です。
search_locations は、店の実店舗の一覧を出すツールで、名前と市区町村、距離、商品で絞り込めます。
lookup_locations は、ロケーションの ID(拠点ごとの番号)を指定して店舗を出すツールで、一度に扱う ID は重複を除いた最初の10個までです。
それより多いと batch_limit_applied が返り、残りは別のリクエストで送れます。
営業時間や設備(hours and amenities)での絞り込み、独自の絞り込み、serves の関係には対応していません。
原文によれば、これらを含めたリクエストは無視されず、invalid_input のエラーになります。
Each location includes its id, name, address, and geo coordinates when the merchant has set them. Search returns 10 locations by default, and up to 250 when you set pagination.limit.
(それぞれのロケーションには、ID・名前・住所と、店が設定していれば緯度経度が入ります。検索は既定で10か所、pagination.limit を指定すると最大250か所を返します)
返ってくる店舗の情報は、ID・名前・住所と、店が設定していれば緯度経度です。
検索の結果は既定で10か所で、pagination.limit(一度に返す件数の指定)を使うと最大250か所になります。
商品の在庫は、どこまで当てにできるのでしょうか?
商品での絞り込みには、商品のバリエーション(色やサイズなどの違い)の ID を10個まで渡せます。
指定したバリエーションが全部その店舗で手に入るときだけ、店舗が当てはまります。
Availability follows Shopify’s existing store availability rules. It isn’t a stock count, a pickup promise, or a reservation.
(在庫があるかどうかは、Shopify の既存の店舗の在庫状況(store availability)のルールに従います。在庫数でも、受け取りの約束でも、取り置きでもありません)
原文は開発者に、商品が当てはまっても仮(provisional)のものとして扱うよう求めています。
買い手に商品の用意ができたと伝える前に、カートとチェックアウト(会計の画面)で在庫と配送・受け取りの方法を確かめる、という順番です。
原文の「在庫数でも、受け取りの約束でも、取り置きでもない」は、検索で店舗が当てはまることの意味についての記述です。
店の側で何かをする必要があるかは書かれていません。
Treat item matches as provisional. Confirm availability and fulfillment options in cart and checkout before you tell the buyer that an item is ready.
(商品の当てはまりは仮のものとして扱ってください。買い手に商品の用意ができたと伝える前に、カートとチェックアウトで在庫と配送・受け取りの方法を確かめてください)
選んだ店舗での店頭受け取りのチェックアウトには、対応していません。
Pickup checkout for a selected location isn’t supported.
(選んだロケーションでの店頭受け取りのチェックアウトには対応していません)
距離の中心には、どの位置を使うのでしょうか?
距離で絞り込むときは、中心になる位置が要ります。
原文は開発者に、中心は買い手が共有を選んだ位置からだけ送るよう求めています。
Send distance.center only from a location that the buyer chose to share. Shopify never infers a center from context or IP address.
(distance.center は、買い手が共有を選んだ位置からだけ送ってください。Shopify が文脈や IP アドレスから中心を推測することはありません)
distance.center(距離の中心の位置)を、Shopify が文脈や IP アドレス(ネット上の住所にあたる番号)から推し量ることはない、という書き方です。
開発者は、何をすればよいのでしょうか?
原文の What to do(やること)には、4つが並んでいます。
順番に見てください。
1つ目は、エージェントのプロフィールで、2つの能力を版 2026-08-25 として宣言することです。
2つ目は、店のプロフィールに載っているときだけ、location のツールを呼ぶことです。
3つ目は、距離の中心を、買い手が共有した位置からだけ送ることです。
4つ目は、商品の当てはまりを仮として扱い、カートとチェックアウトで確かめることです。
上の4つの日本語はキクシル編集部の整理で、公式の記載ではありません。
原文によれば、これらの能力を宣言しないインテグレーション(つなぎ込みの実装)や、それより前の UCP の版で取り決めるインテグレーションには影響がありません。
あなたが開発を外に頼んでいるなら、この4つを担当の方と一緒に見てください。
🔴 公式に書かれていないこと
以下は、この Changelog に書かれていません。
- 日本のストアが対象かは書かれていません
- 店主がこの能力を止める設定は書かれていません。原文が書くのは、Physical storefront として有効にしたロケーションを持つストアが能力を載せる、という条件です
- どのAIエージェントがこの能力を使っているかは書かれていません
- 店頭受け取りのチェックアウトに対応する時期は書かれていません
- 営業時間や設備での絞り込みに対応する予定は書かれていません
- Related docs と UCP の location の仕様の中身は、本記事では読んでいません
- 🔴 記載が無いことをもって「あなたの店に客が来る」とも「影響はない」とも書きません
出典
- Shopify Developer Changelog「Discover a merchant’s retail stores with UCP location search and lookup」2026年10月22日
https://shopify.dev/changelog/discover-a-merchant-s-retail-stores-with-ucp-location-search-and-lookup
上記の Shopify 公式の情報だけを一次情報として使っています。
次の事項は「未確認」として扱い、推測で補っていません。
- 日本のストアへの対応と、店主の設定の有無
- 能力を使うAIエージェント
- 店頭受け取りと、営業時間などの絞り込みの予定
- Related docs と UCP の仕様の中身

