「うちの店、売れないんですよ」
あなたがそう言うとき、頭の中には2つの話が入っています。
1つめは、人が来ていないという話です。
2つめは、来たのに買われていないという話です。
この2つは、別の問題です。
原因がちがいます。
直す場所もちがいます。
それでも、口に出すときは同じ一言になります。
だから混ざります。
混ざったまま手を打つと、あなたは外し続けます。
1回外すだけなら、まだいいです。
混ざったままだと、外し方が毎回ちがうので、原因が絞れません。
この記事を読み終えると、あなたは自分の店がどちら側なのかを、2つの数で切り分けられます。
2つが混ざるのは、あなたのせいではありません
最初に、あなたを責めない話をします。
この2つが混ざるのは、売上という数字の作られ方のせいです。
売上は、こういう形をしています。
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売上 = 来た人の数 × 買った割合 × 1件あたりの金額
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3つを掛け算した結果が、売上です。
掛け算の結果だけを見ても、どれが動いたかは分かりません。
来た人が半分になっても、売上は半分になります。
買う割合が半分になっても、売上は半分になります。
出てくる数字は、どちらも同じように見えます。
あなたが毎日見ている画面には、たいてい売上が一番大きく出ています。
大きく出ている数字は、目に入ります。
だから、掛け算の結果のほうを先に見ます。
これは自然なことです。
ただ、この順番で見ているかぎり、切り分けは進みません。
混ぜたままだと、あなたは効かない手を打ち続けます
仮の話を1つ置きます。
今月、あなたの店の売上が落ちたとします。
あなたは商品ページの写真を撮り直します。
説明文も書き直します。
1週間、様子を見ます。
売上は動きません。
ここであなたはこう思います。
「写真じゃなかったか」
でも、本当の理由が「そもそも人が来ていない」だったら、どうでしょう。
写真を何回撮り直しても、数は動きません。
見る人がいないからです。
写真が良くなったかどうかも、確かめられません。
逆もあります。
人は毎日来ているのに、買われていない店があります。
そこに広告を足します。
来る人は増えます。
買う人は増えません。
広告費だけが増えます。
どちらの失敗も、同じ理由で起きています。
2つの話を、1つのまま扱ったからです。
しかも、この失敗は1回では終わりません。
「写真じゃなかった」「広告でもなかった」と消していくうちに、あなたは店のあちこちを触ります。
そして、どれも効かなかったという感覚だけが残ります。
残るのは感覚であって、記録ではありません。
次に同じことが起きたとき、また最初から探すことになります。
見る数字は、2つだけで足ります
切り分けに必要な数は、2つです。
- 訪問数(あなたの店に来た人の数)
- 購入数(実際に買われた件数)
名前は、使っているツールによって変わります。
セッション、ユーザー、注文数、と呼ばれることもあります。
細かい定義のちがいは、今は置いておいて大丈夫です。
ここで決めたいのは、どちら側の問題かだけだからです。
守ることは2つあります。
- 2つとも、同じ期間で数える
- 毎回、同じ画面から取る
この2つを守れば、切り分けには足ります。
2つを並べると、あなたの店はどれかに入ります
訪問数と購入数を、同じ期間で並べます。
そして、その前の同じ長さの期間とくらべます。
すると、あなたの店は次のどれかに入ります。
表が出てくると身構えるかもしれません。読むのは、自分の店が入る1行だけです。
| 訪問数 | 購入数 | 起きていること |
|---|---|---|
| 減った | 減った | 人の入口が細っています |
| 変わらない | 減った | 来た人が買う人になっていません |
| 増えた | 変わらない | 増えた人が、買う人ではありません |
| 変わらない | 変わらない | 動いたのは1件あたりの金額です |
この表は、原因を当てる表ではありません。
次にどちらを見るかを決める表です。
当てにいくと外れます。
絞りにいくと、次の一手が決まります。
訪問数が減っているなら、あなたが開くのは入口です
訪問数が減っているとき、あなたが次に見るのは人の入口です。
- 検索から来ているのか
- SNSから来ているのか
- 広告から来ているのか
- メールやLINEから来ているのか
どの入口が細ったのかを見ます。
商品ページは、今は触りません。
見る人が減っている場所を直しても、結果には出ないからです。
手を止めるのは、もどかしく感じるかもしれません。順番が来たら戻ってきます。
順番を守る理由は、これだけです。
細っている側を直さないと、反対側を直しても数字に出ません。
購入数だけが減っているなら、買うまでの道を見ます
訪問数が変わらないのに購入数が減っているときは、買うまでの道のどこかで止まっています。
見る順番は、入口から出口に向かって進みます。
- 商品ページまで来ているか
- カートに入っているか
- 送料や支払い方法の画面まで進んでいるか
- そこから先に進んでいるか
4つ並ぶと多く見えますが、一度に全部を見る必要はありません。
上から順に見ると、止まっている場所が1か所に絞れます。
広告は、今は足しません。
足すと、母数が動いて比べられなくなります。
2つとも動いていないなら、1件あたりの金額を見ます
訪問数も購入数も変わらないのに売上が落ちているなら、残っているのは金額です。
- 値引きの量が増えていないか
- まとめ買いが減っていないか
- 高い商品が売り切れていないか
この3つを見ます。
ここまで来ると、探す場所はかなり狭くなっています。
最初から金額を疑わなかったのは、順番があったからです。
数えるときは、2つの窓をそろえます
2つの数は、同じ窓で取ります。
窓というのは、数える期間のことです。
窓がずれると、切り分けは成立しません。
- 訪問数は今月、購入数は今週、では比べられません
- 日数がちがう期間どうしも、そのままでは比べられません
だから、先に決めておきます。
- 期間は7日単位にする
- 月曜から日曜、のように始まりを固定する
- 2つの数を、同じ日に同じ画面から取る
比べる窓の決め方そのものには、もう少し話があります。
そこは別の記事で扱います。
今日のところは、7日単位でそろえておけば進めます。
割り算は、後まわしでかまいません
購入数を訪問数で割ると、率が出ます。
その率を見たくなる気持ちは分かります。
1つの数にまとまるので、見やすいからです。
ただ、最初は割らないほうが動けます。
率は、2つの数の動きを1つに畳んでしまうからです。
たとえば、訪問も購入も半分になった店があります。
訪問も購入も変わらない店もあります。
この2つは、率で見ると同じに見えます。
でも、起きていることは別です。
やることも別です。
畳む前の2つを持っていれば、この2つは分かれます。
割り算は、切り分けが済んでからで間に合います。
今日あなたがやることは、これだけです
紙でもメモアプリでもかまいません。
きれいに整える必要はありません。
まずは、次の5つを書いてみてください。
- 直近7日の訪問数を1つ書く
- 同じ7日の購入数を、その横に書く
- その前の7日ぶんも、同じように2つ書く
- 訪問数と購入数について、増えた・減った・変わらない、をそれぞれ書く
- 上の表で、自分の店がどこに入るかを1つ選ぶ
5分で終わります。
終わった時点で、あなたが次に開く画面は1つに決まります。
入口を見るのか、買うまでの道を見るのか、金額を見るのか。
そのどれかです。
来週も、同じことをします。
毎週やるのは面倒に感じるかもしれません。
2回目からは、前の週の下に書き足すだけになります。
2週ぶん並ぶと、動きが見えるようになります。
この記事の3点を、置いておきます
言いたいこと
「アクセスが少ない」と「買われない」は、別の問題です。
混ぜたまま手を打つと、直す場所を毎回外します。
見る数字
訪問数と購入数。
この2つを、同じ期間で並べます。
次にやること
直近7日とその前の7日で、2つの数を書き出します。
そして、自分の店がどちら側かを切り分けます。
売れない理由は、まだ分からなくて大丈夫です。
一度で全部を突き止めようとしなくて構いません。
分からないものを2つに割るところまでが、今日の仕事です。
割れていれば、次に探す場所は半分になります。

