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【Shopify最新ニュース2026】在庫レポートが「実在庫」で数えるように

2026 10/07
2026年10月7日
在庫レポートが実在庫数で数えるようになる変更のアイキャッチ:数字が増えても在庫そのものは増えていないことを解説

この記事の要点

  • 本日2026年9月1日から、Shopifyの在庫分析が「販売可能数」ではなく「実在庫数」で在庫を数えます
  • レポートの数字は増えることがあります。でも在庫が増えたわけではありません
  • 過去のデータは変わりません。つまり8月までと9月からは、別の物差しの数字が並びます

① 何が変わったか

本日 2026年9月1日から、Shopify の在庫分析が在庫の数え方を変えます。

Shopify は2026年8月14日に公式 Changelog へ「Inventory reports now show on-hand quantity(在庫レポートが実在庫数を表示するようになりました)」を掲載し、適用は9月1日からと明記しました。

出典: Shopify Changelog「Inventory reports now show on-hand quantity」2026年8月14日
https://changelog.shopify.com/posts/inventory-reports-now-show-on-hand-quantity

変わるのは1点です。在庫分析のモデルが、これまでの available(販売可能数)ではなく on-hand(実在庫数)で在庫を測るようになります。

公式は、2つの数の違いをこう定義しています。

何を数えるか
on-hand(実在庫数) その拠点に物理的にある全ユニット。開いている注文に引き当てられた分と、現在利用できない分を含む
available(販売可能数) 売れる分だけ
図1:在庫の数え方の違い。販売可能数は売れる分だけを数え、実在庫数は拠点にある全ユニットを数える。開いている注文への引き当て分と現在利用できない分が含まれるようになる。過去のデータは変わらないと公式が明記しているため、8月までと9月からでは別の物差しの数字が並ぶ。

つまり、9月1日以降のレポートに出る在庫数は、これまでより多くなることがあります。

公式はその理由を「引き当て済みと利用不可の分だけ多くなる」と説明しています。

⚠️ 読み間違えると、こうなります

🔴 数字が増えても、在庫が増えたわけではありません。数え方が変わっただけです。

ここを取り違えると、実際には動いていない在庫を「余っている」と読んで、値下げや発注停止の判断に使ってしまいます。

影響を受けるレポート(公式が名前を挙げているもの)

  • Products by sell-through rate(消化率)
  • Products by days of inventory remaining(在庫日数)
  • Inventory adjustment changes(在庫調整)
  • Inventory sold daily by product(商品別の日次販売)
  • ABC product analysis(ABC分析)
  • Month-end inventory value(月末在庫金額)
  • Inventory transfer orders and shipments(在庫移動と出荷)
  • Month-end inventory snapshot(月末在庫スナップショット)

ShopifyQL を書いている場合は、FROM inventory と FROM inventory by location に現れます。

🔴 公式に「書かれていないこと」

  • 管理画面の在庫一覧の表示も変わるのかは書かれていません。公式が言っているのは分析モデルについてです
  • アプリ経由で在庫データを取得している場合にどうなるかは書かれていません
  • 9月1日をまたぐ期間を指定したとき、どちらの定義で出るのかは書かれていません
  • 棚卸し・会計上の扱いについては何も書かれていません

② いつから/誰に効くか

日付は2つあります。混ぜないでください。

  • 2026年8月14日 … 公式が告知した日
  • 2026年9月1日 … 実際に切り替わる日。本日です
図2:日付は2つある。2026年8月14日が公式の告知日、2026年9月1日が実際に切り替わる日。8月31日までは販売可能数、9月1日からは実在庫数。過去のデータは変わらないと公式が明記しているため、前月比や前年同月比を並べている資料は別の物差しの数字を並べることになる。

そして公式は、過去のデータは変わらないと明記しています。
9月1日より前のレポートは available のままで、履歴と傾向はそのまま残ります。

🔴 ここに、この変更のいちばん厄介な点があります。
8月までの数字と、9月からの数字は、別の定義になります。

前月比・前年同月比を並べている資料は、そのままでは異なる物差しを並べることになります。

公式が「過去は変わらない」と書いていることの、そのまま裏返しです。

影響の大きさは、引き当て済み在庫がどれだけ滞留しているかで決まります。

  • 効く店: 予約販売・受注生産・BtoB・出荷までに日数がかかる店。注文が入ってから出荷するまでの在庫が常にあるので、その分が丸ごと乗ってきます
  • 効きにくい店: 受注したその日に出す店。引き当て済みの在庫が滞留しないため、差は小さくなります
  • 関係がない店: そもそも在庫レポートを見ていない店。ただし、見ていないこと自体は別の課題です
図3:自店にどれだけ効くか。出荷までに日数がかかる店ほど増える幅が大きく、受注した日に出す店は差が小さい。在庫レポートを見ていない店は今日は何もしなくてよい。月次で数字を報告している店は、9月から数え方が変わったため単純比較できない旨を一行注記する。

③ 現場では何が起きるか

私たちは200社以上のECサイト制作・改善に関わってきました。その実地から、この変更をどう見ているかを書きます。

🔑 いちばん危ないのは「気づかないこと」です

この変更は、エラーも警告も出しません。
レポートを開くと、いつもの画面に、いつもより大きい数字が入っているだけです。

数字が変わったときに人が最初に考えるのは、「何かが起きた」であって「定義が変わった」ではありません。

9月の在庫金額が8月より増えていれば、仕入れすぎを疑います。消化率が下がっていれば、売れ行きの悪化を疑います。

どちらも、実態は何も変わっていないのに出る現象です。

月末在庫金額を使っている店は、先に確認してください

公式が名前を挙げているレポートの中に Month-end inventory value(月末在庫金額) があります。

この数字を社内資料や試算表の参考値にしている店では、9月から金額が上がる可能性があります。

🔴 公式に書かれていないこと

🔴 ただし、これが会計上の棚卸資産の扱いにどう関わるかは、公式には何も書かれていません。

私たちも判断できません。金額が変わる可能性がある、というところまでが確かなことです。

数字を会計に使っている場合は、顧問税理士に「Shopifyの在庫レポートの定義が変わった」と伝えるところから始めてください。

「利用不可」の中身は、店ごとに違います

on-hand には「現在利用できない分」が含まれます。
何が利用不可になっているかは店の運用によって異なり、検品待ち・破損・保留などが入り得ます。

この機会に、自店の「利用不可」に何が入っているかを一度見ておくと、9月以降の数字を読み間違えません。

むしろ、普段は見ないその数字が可視化されること自体は、良い方向の変更です。


④ 今すぐやること/様子見でいいこと

今すぐやること(10分で終わります)

  • 9月1日以降にレポートを開いたら、まず在庫数が上がっていないかを見る。上がっていたら、その差分は「引き当て済み+利用不可」です。仕入れの失敗ではありません。
  • 月次で在庫の数字を報告している店は、9月の資料に一行だけ注記を入れる。「9月からShopifyの在庫の数え方が変わったため、8月までと単純比較できない」。これだけで事故が止まります。
該当する店だけがやること(30分)

  • ShopifyQL や外部アプリで在庫を引いている場合、FROM inventory の値を9月1日の前後で見比べる。仕様を読んで想像するより、実際に2回引いて差を見るほうが早く確実です。
  • 月末在庫金額を会計・試算表に使っている場合は、顧問税理士に共有する(③参照)

様子見でよいこと

  • 受注即出荷で、在庫レポートをほとんど見ない店 — 何もしなくてよいです
  • 管理画面の在庫一覧の見え方 — 公式に記載がありません。変わるかどうか分からないものに、先回りして手を打つ必要はありません

出典

  • Shopify Changelog「Inventory reports now show on-hand quantity」2026年8月14日(適用開始 2026年9月1日)
    https://changelog.shopify.com/posts/inventory-reports-now-show-on-hand-quantity

本記事は上記の公式 Changelog を一次情報として作成しています。

Changelog に書かれていない事項(管理画面の在庫一覧への影響、アプリ経由での取得への影響、9月1日をまたぐ期間指定の扱い、棚卸し・会計上の扱い)は、

本記事執筆時点で公式に記載がないため「未確認」 として扱い、推測で補っていません。

追記(2026年9月6日) — 上記の出典ページは、現在は参照できません

2026年9月5日 0時49分(日本時間)にキクシル編集部で確認したところ、上記の出典URLは開けなくなっていました。アクセスすると Shopify Changelog のトップページへ転送され、出典の個別ページは表示されません。同じ時点で、Changelog の一覧ページにも配信フィードにも、このページは見つかりませんでした。

参照できなくなった理由は分かりません。理由を説明する記載も、これに代わる記事も、Changelog 上には見つかっていません。

本記事の記述は、上記URLが参照できた時点の公式ページに基づいています。記述内容の訂正は現時点では行っていませんが、裏づけとなる一次情報が、いまは参照できない状態であることを明記しておきます。

2026年10月7日、出典ページが戻り、冒頭の日付が10月1日に書き換わっていました → 続報

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