① 何が変わったか
2026年8月11日、Shopify が公式 Changelog に「Managed Markets is ending Delivered Duty Unpaid (DDU) support(Managed Markets が DDU のサポートを終了します)」を掲載しました。
出典: Shopify Changelog「Managed Markets is ending Delivered Duty Unpaid (DDU) support」2026年8月11日
https://changelog.shopify.com/posts/managed-markets-is-ending-delivered-duty-unpaid-ddu-support
公式本文に書かれている内容は、次のとおりです。
- 2026年8月24日をもって、Shopify Managed Markets は、DDP(関税元払い)に対応している全ての国・地域で DDU(関税着払い)のサポートを終了する
- DDU を使っている、または DDU を継承しているマーケットは、自動的に DDP へ移行する
- そのマーケットの購入者は、配送業者や税関にではなく、チェックアウトで関税・輸入税を支払うことになる
- Shopify が挙げている理由は、配送時の想定外の請求を避け、越境の買い物を予測しやすくするため
- 店側がすべきこととして書かれているのは1つだけ:「配送時に払わせ続けたいなら、2026年8月24日より前に Shopify Managed Markets をオフにする」。それ以外は “no action is needed”(対応は不要)
用語だけ先に整理しておきます。
- DDU(Delivered Duty Unpaid)= 関税着払い。 購入者が、荷物を受け取るときに配送業者や税関へ払う
- DDP(Delivered Duty Paid)= 関税元払い。 購入者が、注文時にチェックアウトで払う
払う人は同じ購入者です。変わるのは「いつ払うか」です。
🔴 公式に「書かれていないこと」も、そのまま書いておきます
- 8月24日を過ぎてから Managed Markets をオフにした場合にどうなるかは、書かれていません
- 対象となる国・地域の一覧は書かれていません。「DDPに対応している全ての国・地域」としか書かれていないため、自店のどのマーケットが動いたかは管理画面で確認するしかありません
- 移行の通知が店側に個別に届くのかどうかも書かれていません
※ Shopify ヘルプセンター(help.shopify.com)は自動取得を拒否するため、本記事は Changelog 本文を一次情報として書いています。
② いつから/誰に効くか
| 項目 | 公式に書かれていること |
|---|---|
| 発効日 | 2026年8月24日 |
| 対象 | Shopify Managed Markets を使っている店のうち、DDU を使っている/継承しているマーケット |
| 移行 | 自動(店側の操作は不要) |
| 回避策 | 8月24日より前に Managed Markets をオフにする。それのみ |
| それ以外の店 | 対応は不要 |
🔴 発効日はすでに過ぎています。この記事は「これから備える」話ではなく、「もう変わっているので、実物を確認する」話です。
関係がない店もはっきりしています。
- 国内販売のみの店 — 関係ありません
- 越境はしているが Managed Markets を使っていない店(DHL・FedEx等の自社アカウント、他社の越境アプリ、代行業者経由)— 関係ありません
⚠️ 本記事は、8月24日に実際に切り替わったことを対象ストアで確認したものではありません。
「公式が8月24日に終了すると告知した」ところまでが事実で、自店のマーケットがどうなったかは、次の④の手順で確認してください。
③ 現場では何が起きるか
私たちは200社以上のECサイト制作・改善に関わってきました。その実地から見ると、この変更は 2つの方向に同時に効きます。
(1) カート画面の合計金額が「上がったように見える」
関税・輸入税がチェックアウトに乗るため、同じ商品・同じ送料でも、購入者が最後に見る合計金額が変わります。
これは値上げではありませんが、購入者の画面では値上げと区別がつきません。
越境のカゴ落ちは、この「最後の画面で金額が想定と違った」という形で起きます。
(2) 逆に、消えるコストもあります
受取拒否と返送です。
着払いの関税を知らずに注文した購入者が、配送業者から請求されて受け取りを拒む — これは越境で最も高くつく失敗のひとつです。往復の送料と、返ってきた商品の再販可否まで含めて店の損失になります。
チェックアウトで先に払ってもらう形になると、この事故は構造的に起きにくくなります。
つまり 「カゴ落ちが見えるところに増え、受取拒否が見えないところで減る」 という交換です。
カゴ落ちだけを見て『改悪だ』と判断すると、片側しか見ていないことになります。
(3) 🔴 数字の見え方が、8月24日をまたいで変わります
関税分が注文金額の内訳に入るため、8月24日をまたいで月次のAOV(平均注文単価)を比べると段差が出ます。
これは売れ行きの変化ではなく、内訳の変化です。原因を取り違えないでください。
比べるなら、関税を除いた商品小計で比べてください。
(4) サイトの文言が、そのままだと事実と違っています
これがいちばん見落とされます。
越境を始めるときに、「関税・輸入税はお届け時にお客様のご負担となります」 という文言を、配送についてのページ・FAQ・特定商取引法に基づく表記に書いた店は、その文言をまだ直していないはずです。
Managed Markets の対象マーケットについては、その説明が現在の挙動と食い違っています。
購入者からの問い合わせや、「聞いていた説明と違う」というクレームは、設定ではなく文言から生まれます。
④ 今すぐやること/様子見でいいこと
今すぐやること(越境をやっている店のみ・20分)
- 管理画面で Shopify Managed Markets が有効かを見る。
有効でなければ、ここで終わりです。何もしなくて構いません。 - 有効な場合、対象マーケットの関税設定が DDP になっているかを見る。
- 🔴 8月24日以降に入った越境注文を1件開き、関税・輸入税の行が注文の内訳に乗っているかを実物で確認する。
設定画面ではなく注文で確認してください。設定がどう見えるかと、購入者が実際に何を払ったかは別の情報です。 - 自サイトの文言を検索して直す。
「関税」「輸入税」「お届け時」「着払い」で自サイト内を検索し、配送についてのページ・FAQ・特商法表記を実態に合わせます。
様子見でよいこと
- 価格の作り直し。 合計金額の見え方が変わったからといって、すぐに商品価格や送料を動かさないでください。
まず1〜2週間、実際の完了率と、受取拒否・返送の件数を見てからです。8月24日以前と以後で比較できます。 - 国内販売のみの店は、何もしなくてよいです。
やらないほうがよいこと
- カゴ落ちが増えたのを見て、慌てて Managed Markets をオフに戻すこと。
オフにすれば着払いに戻せますが、受取拒否と返送のコストも戻ってきます。
片方の数字だけで判断せず、返送の実績を並べてから決めてください。
出典
- Shopify Changelog「Managed Markets is ending Delivered Duty Unpaid (DDU) support」2026年8月11日
https://changelog.shopify.com/posts/managed-markets-is-ending-delivered-duty-unpaid-ddu-support
本記事は上記の公式 Changelog を一次情報として作成しています。
Changelog に書かれていない事項(対象の国・地域の一覧、8月24日以降にオフにした場合の挙動、店への個別通知の有無)は、
本記事執筆時点で公式に記載がないため「未確認」 として扱い、推測で補っていません。
また、自店のマーケットが実際に DDP へ切り替わったかどうかは、各店の管理画面でご確認ください。
この記事について
キクシル編集部(運営: 株式会社ギャザリング)
Shopify・EC の公式アップデートを、200社以上のEC制作・改善の実地から読み解いています。

