開発者向けの変更です。
対象は、米国の販売向けの Shopify Tax managed mode を使う店。
その店で、Admin API の一部の書き込みに検証が加わりました。
カスタム明細の taxable の非推奨の表示は、GraphQL Admin API 2027-01 以降のスキーマに付きます。
原文は、この非推奨に managed mode の条件を付けていません。
告知には Breaking と Action required の表示が付いています
掲載は2026年10月28日、Shopify の developer changelog。
ページの見出しの欄には、次の値が並んでいます。
- Flags: Breaking API Change/Action required
- Version: 2027-01
- Affected APIs: Admin REST API/GraphQL Admin API
出典: Shopify developer changelog「Managed mode for Shopify Tax」2026年10月28日
https://shopify.dev/changelog/posts/managed-mode-for-shopify-tax-is-released
Shopify Tax managed mode helps Shopify apply the correct tax behavior for US sales by managing some store settings and API behavior directly. To keep those settings consistent, some Admin API writes now validate against the requirements of managed mode.
(Shopify Tax の managed mode は、店の設定と API の挙動の一部を Shopify が直接管理し、米国の販売で正しい税の扱いを当てるためのものです。その設定を一貫させるため、一部の Admin API の書き込みは managed mode の要件に照らして検証されるようになりました)
原文は、変更を次の4種類に分けています。
- Breaking: Markets API の書き込みと、商品の公開の書き込みが失敗し得る
- Deprecation: カスタム明細の
taxableの入力が非推奨、代わりはproductCategoryId - New: 下書き注文と注文の編集で、カスタム明細に商品カテゴリを付けられる
- Clarification: チェックアウトのフッターの表示設定が及ぶ範囲の明確化
要件どおりの値を送るか、管理しない設定を省くリクエストは、そのまま動きます。
要件を上書きしようとするリクエストは、検証のエラーを返し得る、という整理です。
Markets API は米国を含むマーケットで既定値を固定します
1つ目の Breaking は、marketCreate と marketUpdate。
米国を含むマーケットで、通貨と税の表示の既定値を上書きすると拒否されます。
The validation applies only to merchant-managed, non-retail markets that include the United States.
(検証の対象は、店が管理する小売以外のマーケットのうち、米国を含むものだけです)
米国を含まないマーケット、小売のマーケット、サードパーティが管理するマーケットは対象外。
対象は、unstable を含むサポート中のすべての API バージョンです。
検証が走るのは、次の入力のどちらかを送ったときだけです。
currencySettingspriceInclusions
原文が示す既定値は次の2通り。
- 米国だけのマーケット:
baseCurrencyはUSD、localCurrenciesはfalse、taxPricingStrategyはADD_TAXES_AT_CHECKOUT - 米国とほかの国を含むマーケット:
localCurrenciesはtrue、taxPricingStrategyはINCLUDES_TAXES_IN_PRICE_BASED_ON_COUNTRY
エラーは userErrors の code・field・message で受けます。
Currency violations return UNSUPPORTED_CURRENCY. Tax-display violations return INCOMPATIBLE_CONFIGURATION on API version 2026-07 and later, or GENERIC_ERROR on earlier versions.
(通貨の違反は UNSUPPORTED_CURRENCY を返します。税の表示の違反は、API バージョン 2026-07 以降では INCOMPATIBLE_CONFIGURATION、それより前では GENERIC_ERROR を返します)
managed mode を使わない店は、米国の顧客に売っていても対象外です。
Stores that don’t use Shopify Tax managed mode are unaffected even if they sell to US customers.
(Shopify Tax の managed mode を使わない店は、米国の顧客に販売していても影響を受けません)
managed mode の店では、商品の公開に Shop チャネルが要ります
2つ目の Breaking は、商品の公開の書き込み。
For stores that use Shopify Tax managed mode, products published to Online Store, Headless, Hydrogen, or Buy Button must also be published to Shop.
(Shopify Tax の managed mode を使う店では、Online Store、Headless、Hydrogen、Buy Button に公開する商品は、Shop にも公開されていなければなりません)
原文は、この4つを Shop に依存するチャネルと呼びます。
検証の対象は次のとおり。
publishablePublish・publishableUnpublish・publicationUpdate- 非推奨の
productPublish・productUnpublish productCreate・productUpdateの公開の項目- REST Admin API の商品の作成と更新
違反したときの扱いは、API バージョンで分かれます。
In unstable, the request fails. In dated versions, Shopify adds the missing Shop or dependent-channel changes to the request and saves it.
(unstable ではリクエストが失敗します。日付つきのバージョンでは、足りない Shop や依存するチャネルの変更を Shopify がリクエストに足して保存します)
- unstable: リクエストが失敗し、どの部分も保存されない
- 日付つきのバージョン: Shopify がリクエストを直してから保存する
- 直しても規則に合わないとき: 日付つきのバージョンでも unstable と同じエラー
日付つきのバージョンでは、リクエストに書いていない Shop への公開が起こり得ます。
Shop は予約公開に対応していません。
依存するチャネルが予約でも、Shop には即時に公開されます。
The change is rolling out gradually to stores that use managed mode, with no schema changes.
(この変更は managed mode を使う店へ段階的に展開され、スキーマの変更はありません)
失敗は検証のエラーとして扱う、と原文は書いています。
Retrying the same request returns the same error.
(同じリクエストを再試行しても、同じエラーが返ります)
カスタム明細の taxable は非推奨になります
対象は、下書き注文と注文の編集のカスタム明細。
非推奨になるのは次の2つです。
DraftOrderLineItemInput.taxableorderEditAddCustomItemのtaxable引数
スキーマ上の非推奨の表示は、GraphQL Admin API の 2027-01 以降。
2026-10 以前のバージョンのアプリには、スキーマの変化は見えません。
明細が課税かどうかを読む項目と、Webhook の中の課税の状態はそのままです。
managed mode の店では、バージョンに関係なく taxable が無視されます。
For stores using Shopify Tax managed mode, taxable is ignored on custom line items in every API version.
(Shopify Tax の managed mode を使う店では、カスタム明細の taxable はすべての API バージョンで無視されます)
カテゴリの無いカスタム明細は、標準の税率で課税されます。
ほかの店では、taxable はこれまでどおり働きます。
下書き注文の全体を非課税にする方法も、原文にあります。
managed mode の店では、顧客か会社か会社の拠点を非課税に設定します。
明細1つだけなら、カテゴリで非課税にします。
カスタム明細に商品カテゴリを付けられます
代わりの入力が productCategoryId。
カスタム明細に、Standard Product Taxonomy のカテゴリを付けられます。
カテゴリが明細の税の扱いを決め、商品のときと同じ働き方です。
- 下書き注文:
draftOrderCreate・draftOrderUpdate・draftOrderCalculateのDraftOrderLineItemInput.productCategoryId - 注文の編集:
orderEditAddCustomItemの新しいproductCategoryId引数 - 読み出し:
DraftOrderLineItem.productCategory・CalculatedDraftOrderLineItem.productCategory・CalculatedLineItem.productCategory
variantId を渡したときは、productCategoryId は無視されます。
今のタクソノミーに無い ID を渡すと、ユーザーエラーが返ります。
カテゴリの ID は taxonomy のクエリで探します。
A custom line item with no category is treated as Uncategorized and taxed at the standard rate.
(カテゴリの無いカスタム明細は Uncategorized として扱われ、標準の税率で課税されます)
チェックアウトのフッターの表示設定は、店の内容だけに効きます
この節の本文には、managed mode の条件が書かれていません。
名指しされている対象は、Shopify Plus の店のチェックアウトのブランディングを扱うアプリです。
冒頭のまとめでは、managed mode の店向けの変更の1つとして並んでいます。
These changes affect apps that configure markets, publish products, create custom line items, or preview checkout branding for stores that use Shopify Tax managed mode. The changes fall into four categories:
(これらの変更は、Shopify Tax の managed mode を使う店について、マーケットを設定するアプリ、商品を公開するアプリ、カスタム明細を作るアプリ、チェックアウトのブランディングをプレビューするアプリに影響します。変更は4つの区分に分かれます)
効く範囲が明確になったのは、次の2つの型の visibility の項目です。
CheckoutBrandingFooterContentCheckoutAndAccountsConfigurationBrandingFooterContent
HIDDEN にしても、Shopify が出す取引の情報はフッターに表示され得ます。
店が設定できる内容は、ポリシーへのリンクと著作権の表記。
原文がとくに挙げるのは、次の3種類のアプリ。
- フッターの表示を管理するアプリ
- ブランディングのプレビューを描くアプリ
- 見た目のテストを回すアプリ
No fields, input types, enum values, access scopes, or mutations have changed.
(項目、入力の型、enum の値、アクセススコープ、ミューテーションは、どれも変わっていません)
既存のミューテーションと保存済みのブランディングの設定は、変えずに動きます。
プレビューやテストは、Shopify の取引の情報が残り得る前提に直します。
フッターの表示を扱わないアプリは対象外です。
🔴 公式に書かれていないこと
次の点は、一次ソースにありません。
- 日本の店や、米国以外の販売での扱いは書かれていません(managed mode の説明は「for US sales」)
- 店が managed mode を使っているかを、アプリがどう判定するかは書かれていません
- 商品の公開の変更が、各店にいつまでに行き渡るかは書かれていません(「rolling out gradually」とだけある)
- taxable の入力がいつ削除されるかは書かれていません
- フッターの明確化が、managed mode を使わない店にも及ぶかは書かれていません(節の本文に条件が無く、冒頭のまとめでは managed mode の店向けの4区分の1つ)
- managed mode をどの店が、どう使い始めるかは書かれていません
- 原文の Related docs のリンク先は、本記事では読んでいません
- 🔴 本記事は Admin API を呼んで確かめていません。記載が無いことをもって「影響がある」とも「無い」とも書きません
開発者がやること
- Markets API で
currencySettingsかpriceInclusionsを送っているなら、原文の既定値を使うか、管理しない項目を省く userErrorsのUNSUPPORTED_CURRENCY・INCOMPATIBLE_CONFIGURATION・GENERIC_ERRORを受けられるようにする- Online Store などへ公開するときは、Shop を先に公開するか、同じリクエストに Shop を入れる
- REST Admin API で有効な商品を作るときは、
"published": falseで送り、publishablePublishで Shop と Online Store に公開する - Shop から外すときは、依存するチャネルを先に外すか、同じリクエストで外す
- カスタム明細で
taxableを送っているなら、2027-01 以降でproductCategoryIdに置き換える - チェックアウトのフッターをプレビューやテストで描いているなら、Shopify の取引の情報が残る形に直す
🔵 上の手順はキクシル編集部の整理で、公式の記載ではありません。1〜7 は、一次ソースの各区分にある対応の記載を並べ直したものです。
出典
- Shopify developer changelog「Managed mode for Shopify Tax」2026年10月28日
https://shopify.dev/changelog/posts/managed-mode-for-shopify-tax-is-released
上記の Shopify 公式の情報だけを一次情報として使っています。
次の事項は「未確認」として扱い、推測で補っていません。
- 日本の店と米国以外の販売での扱い
- managed mode を使っているかの判定のしかた
- 商品の公開の変更が行き渡る時期
- taxable の入力が削除される時期

