オンラインショップを運営していると、「同じ商品で色やサイズが違うものをまとめて表示したい」という場面が多くあります。Shopifyでは、こうした色・サイズ・素材などの違いを「商品バリエーション」として設定することで、お客様が1つの商品ページの中から希望の組み合わせを選べるようにできます。
しかし、いざ設定しようとすると、
– 色やサイズをどこで追加すればよいのか分からない
– 既に登録した商品にバリエーションを後からつけたい
- 在庫数を色やサイズごとに管理したい
といった疑問や戸惑いが出てきやすい部分でもあります。
この記事では、Shopifyの管理画面から商品バリエーション(とくにサイズ・色)を設定する基本的な手順を、専門用語をできるだけ使わずに、画面操作ベースで解説します。初めてバリエーション設定を行う方でも、この記事を読みながら進めれば、色・サイズ付きの商品ページを一通り作成できることを目指します。
目次
- 商品バリエーション機能の基本概念と管理画面の見方
- サイズや色などのオプション設計で失敗しないための考え方
- 商品登録時にバリエーションを追加する具体的な手順
- 既存商品にサイズや色のバリエーションを後から追加する方法
- 在庫数や価格をバリエーションごとに設定するときの注意点
- バリエーション画像の設定とお客様に見やすい表示の工夫
- バリエーションが多い場合の整理方法と運用ルールの決め方
- まとめ
商品バリエーション機能の基本概念と管理画面の見方
まず押さえておきたいのは、「バリエーション」は1つの商品に対して用意できる選択肢の組み合わせだという点です。たとえば、同じTシャツで「サイズ」と「色」が異なる場合、1つ1つを別商品として登録するのではなく、1つの商品ページの中にまとめて管理します。Shopifyでは、この「サイズ」「色」のような軸をオプション、それらの組み合わせでできる1つ1つの具体的な選択肢をバリエーション(SKUごとの単位)として扱います。こうすることで、在庫・価格・画像をまとめて管理しやすくなり、購入者にとっても選びやすい商品ページになります。
管理画面では、商品編集ページの中にバリエーション専用のエリアが用意されています。そこでは次のような情報を一覧で確認・編集できます。
- バリエーション名(例:S / レッド)
- 価格(バリエーションごとに設定可能)
- 在庫数(倉庫ごと、ロケーションごとの在庫も表示)
- SKU・バーコード(社内管理や倉庫との連携に使用)
- 画像(色ごとに商品画像を切り替えるなど)
一覧画面では、これらの情報を行ごとに確認できるため、「どのサイズ・色の在庫が少ないか」「どれだけ価格差を付けているか」といった状況を一目で把握できます。
実際の表示イメージを整理するために、代表的なTシャツ商品の設定例を下表にまとめます。運用時は、このような一覧を意識して管理画面を見ると、どこを編集すればよいか判断しやすくなります。
| オプション | バリエーション例 | 用途のポイント |
|---|---|---|
| サイズ | S / M / L | 在庫の偏りをチェックしやすくする |
| 色 | レッド / ブラック | 色ごとに画像を設定し、誤注文を防ぐ |
| 素材 | コットン / ドライ | 価格差やターゲットの違いを整理する |
サイズや色などのオプション設計で失敗しないための考え方
まず意識したいのは、「お客様が迷わず選べるか」という視点です。サイズや色のバリエーションは多ければ良いわけではなく、選択肢が増えるほど離脱の原因にもなります。実店舗での売れ筋や、これまでの受注履歴をもとに、オンラインで展開するオプションを絞り込みましょう。また、在庫負担が大きいサイズ(極端な大きめ・小さめなど)は、テスト販売や受注生産にして反応を見てから本格展開する方法も有効です。
- 売れ筋サイズ・色を中心に構成する
- 在庫リスクの高いオプションは限定的に始める
- 選択肢は「迷わない数」に抑える(目安:色3〜5、サイズ4〜6程度)
- SKU数を増やしすぎないよう、定期的に整理・統廃合する
次に、表記ルールと並び順をあらかじめ決めておくことが重要です。同じ商品でも、ページごとに「M/ミディアム」「黒/ブラック」など表記が揺れると、お客様は不信感や不安を抱きやすくなります。Shopifyではオプション名と値のルールをテンプレート化し、全商品で統一する運用がおすすめです。以下は、アパレル商品でよく使うパターンの一例です。
| 項目 | 推奨ラベル | ポイント |
|---|---|---|
| サイズ名 | S / M / L / XL | 英字サイズで統一、日本独自表記を混在させない |
| 色名 | ブラック / ホワイト / ネイビー | 一般的な表現を使用し、カタカナ名は必要最低限に |
| 並び順 | 小さいサイズ → 大きいサイズ | 実店舗と同じ感覚で並べるとお客様が迷いにくい |
最後に、オプション設計は「売る側の都合」だけでなく、「購入後のトラブルを減らす仕組み」として考えることが大切です。サイズごとの寸法表を同じページ内に掲載し、よくある質問(例:「いつものスニーカーより大きめ/小さめ」など)を補足すると、サイズ交換や返品を減らせます。また、色違いを増やす前に、・よく売れている色はどれか ・レビューで不満の多いサイズはないかを定期的に確認し、オプション構成を見直しましょう。バリエーションは一度決めて終わりではなく、販売データをもとに最適化していく「運用設計」として捉えると、失敗しにくくなります。
商品登録時にバリエーションを追加する具体的な手順
まず、Shopify管理画面の「商品」メニューから対象の商品を開き、画面中央あたりの「バリエーション」セクションを確認します。まだ設定していない場合は「バリエーションを追加」ボタンをクリックし、表示された項目で「この商品にはサイズや色などのオプションがあります」にチェックを入れます。続いて、「オプション名」に「サイズ」「カラー」などの名称を入力し、「オプション値」に「S, M, L」や「ブラック, ホワイト」といった具体的な選択肢をカンマ区切りで入力します。この時点で、Shopify側が自動的に組み合わせパターンを生成し、下部にそれぞれのバリエーションが一覧で表示されます。
次に、生成された各バリエーションに対して、価格や在庫、SKUなどの必須情報を設定していきます。一覧の行をクリックすると詳細編集画面が開き、以下のような情報を個別に入力できます。
- 価格:サイズや色ごとに異なる販売価格がある場合に設定
- 在庫数:実在庫と連動させる場合は、正確な数値を入力
- SKU:社内の管理コードがある場合はここに登録
- バーコード:JANコードなどを取り扱う場合に入力
| オプション | 例 | 運用時のポイント |
|---|---|---|
| サイズ | S / M / L | 実物の表記と必ず揃える |
| カラー | Black / White | 英語か日本語か表記を統一 |
| SKU | TS-001-BK-S | 規則性を持たせて管理を簡単に |
最後に、必要に応じてバリエーション画像を設定します。色ごとに写真が異なる場合は、各バリエーション行の画像アイコンをクリックし、その色専用の写真を紐づけます。これにより、ストアフロントではお客様が色を切り替えたタイミングで、該当色の画像が自動表示されるようになります。また、不要な組み合わせは一覧右側のチェックボックスから選択し、「バリエーションを削除」で削除しておくと、管理画面と商品ページの双方が整理され、運用ミスを減らせます。
既存商品にサイズや色のバリエーションを後から追加する方法
すでに公開している商品に新しいサイズや色を足したい場合は、まず商品編集画面で現在のバリエーション構成を確認します。すでに「サイズ」や「色」のオプションがある場合は、そのオプション内に新しい値を追加するだけで済みますが、単一バリエーションの商品だった場合は、既存の情報(タイトル・価格・在庫)を崩さないように注意しながら、オプションを新規作成します。このとき、既存のバリエーション名を変更すると外部サービス連携(在庫管理アプリ、広告フィードなど)に影響が出る場合があるため、できるだけ既存のオプション名はそのままにし、新しい値だけを加える形を意識します。
運用上の混乱を防ぐために、追加するサイズや色は事前にルールを決めてから一括で登録すると管理しやすくなります。例えば、以下のような点を簡単にメモしておくと、後から別の商品にも同じルールを流用できます。
- サイズ表記の統一:S / M / L に統一するか、日本サイズ(M / L / LL)にするか
- カラー名のルール:「ブラック」か「黒」か、「オフホワイト」か「白」かなど
- 価格差の有無:大きいサイズや特定カラーだけ価格を変えるかどうか
複数の商品に同じパターンのサイズ・色を後から追加する場合は、エクスポート/インポートを活用すると時間を短縮できます。下記のような簡易的なバリエーション設計表を作成し、どの商品に何を追加するか整理してから作業すると、登録漏れや重複を防げます。
| 商品名 | 現状のバリエーション | 追加するサイズ | 追加するカラー |
|---|---|---|---|
| ベーシックTシャツ | M / L(ホワイトのみ) | S / XL | ブラック / ネイビー |
| ストレッチパンツ | M / L / LL(ブラック) | 3L | ネイビー |
| ライトパーカー | フリーサイズ(グレー) | – | ブラック / ベージュ |
在庫数や価格をバリエーションごとに設定するときの注意点
まず押さえたいのは、「どのバリエーションに、どの在庫数・価格が紐づいているか」を自分でも後から理解できるようにしておくことです。在庫数を一括で入力したあとに、色やサイズの並び順を変更すると、どの値がどのバリエーションに対応しているか分からなくなることがあります。編集の際は、管理画面上のバリエーション一覧をよく確認しながら、1行ずつ丁寧に更新することを意識してください。また、SKUも「色+サイズ」が分かるようなルールで設定しておくと、後から在庫の食い違いを見つけやすくなります。
- セール用の価格を設定する場合は、通常価格を必ず残して「比較価格」を使う
- 原価もバリエーションごとに入力しておくと、サイズごとの利益率が把握しやすい
- 割引コードや自動ディスカウントの対象になっているか、テスト注文で確認する
| バリエーション例 | 販売価格 | 在庫数 | メモ |
|---|---|---|---|
| 白 / M | ¥3,000 | 20 | 標準価格 |
| 白 / L | ¥3,200 | 10 | 生地増量分を加味 |
| 黒 / M | ¥3,000 | 0(入荷待ち) | 「在庫切れ時に販売を続ける」の設定要確認 |
実務上よくあるミスが、バリエーションごとの在庫更新を忘れ、実際には在庫がないのに注文を受けてしまうケースです。入荷のタイミングや予約販売を行う場合は、以下の点を徹底しましょう。
- 在庫が0になったバリエーションは「在庫切れ時に販売を続ける」チェックの有無を必ず見直す
- 予約販売にする場合は、商品説明に「お届け予定時期」を明記する
- 外部システム(POSや倉庫管理システム)と連携している場合は、どちらの在庫が正として扱われるかを事前に社内で決めておく
バリエーション画像の設定とお客様に見やすい表示の工夫
サイズや色ごとに画像を紐づけるときは、まず「バリエーションごとに画像を割り当てる」ことを意識します。たとえば色違いの商品であれば、各カラーの代表的なカット(正面・着用・生地アップなど)を用意し、バリエーション編集画面で該当の画像を選択します。すべてのバリエーションに同じ画像だけを設定してしまうと、お客様は違いが直感的にわからないため、最低でも「色が一目で判断できる画像」をそれぞれのバリエーションに設定するのがおすすめです。
- メイン画像:一覧ページで違いが分かる代表カットを使用
- サブ画像:生地感やディテール、着用イメージを補足
- 背景・明るさ:全バリエーションで撮影条件を揃えて比較しやすく
- テキストなし:画像内に文字を入れすぎず、視認性を優先
お客様にとって見やすい表示にするには、「選択したバリエーションに合わせて画像が即座に切り替わる」ことが重要です。同じ商品ページ内でも、画像順やサムネイルの並びを工夫すると迷いが減ります。例えば、色バリエーションが多い場合は、最初の数枚に代表色を並べ、以降はディテールやサイズ感が分かる画像にするなど、一覧性と情報量のバランスを取ります。
| 表示位置 | 画像の役割 | 設定のポイント |
|---|---|---|
| 1枚目(メイン) | 商品全体のイメージ | 一番売筋の色・サイズを表示 |
| 2〜3枚目 | 色・柄の違い | 主要カラーを並べて比較しやすく |
| 4枚目以降 | 着用・ディテール | サイズ感や素材感を補足 |
スマートフォンでの閲覧を前提に、テキストやボタンとの距離感も意識します。サムネイル画像は小さくても色や柄の違いが分かる構図を選び、似た色は並べて表示しないなど、誤選択を防ぐ工夫も有効です。また、「選択中のバリエーション名」と「表示中の画像」が一致しているか、実際にフロント画面で確認しながら調整すると、運用ミスによるクレームの防止につながります。
バリエーションが多い場合の整理方法と運用ルールの決め方
サイズや色の組み合わせが多い場合は、最初に「見せ方」と「管理しやすさ」の両方を意識してグルーピングすると運用がスムーズになります。たとえば、すべてを1商品に詰め込むのではなく、利用シーンや素材、性別などで商品自体を分け、その中でバリエーションを展開するイメージです。目安として、1商品あたりのバリエーション数が増えすぎると、お客様も管理者も選びにくくなるため、以下のような方針で整理しておくと扱いやすくなります。
- 「これ以上増えたら商品を分ける」基準を決めておく(例:バリエーションが50個を超えたら商品を分割)
- 必ず並び順のルールを統一する(例:サイズは小さい順、色は明度の低い順)
- 実際に売れていない組み合わせは一時的に非表示にして、画面をすっきりさせる
| 項目 | ルール例 | 運用ポイント |
|---|---|---|
| オプション名 | 「サイズ」「カラー」に統一 | 商品ごとに表記ゆれをなくす |
| 色名 | 「ブラック/ネイビー/グレー」など固定 | 「黒」「ブラック」が混在しないよう管理表で定義 |
| サイズ | S < M < L < XL の順 | すべての商品で同じ並び順を使う |
日々の更新や担当者交代でも迷わないように、簡単な運用ルールをテキストで残しておくことが重要です。おすすめは、社内用の「バリエーション管理シート」を作成し、そこにルールとマスター情報を集約する方法です。
- どの属性をオプションにするか(サイズ・色・セット数など)の優先順位を決めておく
- 在庫切れ時の扱い(バリエーションは残す/一時的に非公開にする)を事前に決める
- 新色・新サイズを追加する際の手順(命名・並び順・タグ付け)をチェックリスト化する
最後に、バリエーションが多い商品ほど、検索性と絞り込みのしやすさが売上に直結します。コレクションやタグと組み合わせて「色別」「サイズ別」の一覧ページを用意しておくと、お客様は探しやすくなり、運営側も「どの色・サイズが売れているか」を把握しやすくなります。運用ルールは一度で完璧に決める必要はなく、売れ筋やお客様からの問い合わせ内容を見ながら、定期的に見直していくことを前提に設計すると、長期的に無理のない管理ができます。
まとめ
本記事では、Shopifyでの商品バリエーション(サイズ・色など)の基本的な考え方から、実際の設定手順、よくあるつまずきポイントまでを整理してご紹介しました。
バリエーション設定は、一度慣れてしまえば難しい作業ではありませんが、「どのような組み合わせで見せるか」「お客様が選びやすい表示になっているか」を意識しておくことが大切です。特に、アパレルや雑貨などでサイズ・色が多い場合は、在庫管理や商品名のルールづくりもあわせて見直しておくと、運営がぐっとスムーズになります。
もし実際の運用の中で、「バリエーションが増えすぎて管理がしづらい」「期待どおりの表示にならない」といった課題が出てきた場合は、
– オプション数や組み合わせ方を見直す
– 商品自体を分けて登録する
– 必要に応じてアプリの活用を検討する
といった観点で整理してみてください。
この記事が、店舗運営における商品登録・管理の見直しのきっかけとなり、日々の作業負担の軽減や、お客様にとって分かりやすい商品ページづくりの一助となれば幸いです。

