オンラインショップを運営していると、「人気商品が在庫切れになった」「再入荷の問い合わせが増えて対応が追いつかない」といった悩みを抱えることは少なくありません。特に、商品数が増えるほど在庫の把握は難しくなり、気づかないうちに販売機会を逃してしまうこともあります。
本記事では、Shopifyを利用しているノンテクニカルな担当者の方を対象に、在庫切れ商品の基本的な管理方法と、再入荷通知を設定する際の考え方と手順をわかりやすく解説します。日々の運用でおさえておきたいポイントを整理しながら、「在庫切れによる機会損失を減らす」「お客様に分かりやすく安心感のある案内を行う」ための実践的な方法を紹介していきます。
この記事を参考に、在庫切れの状況でもお客様との接点を保ち、スムーズな再販売につなげられる運用体制づくりを目指していきましょう。
目次
- 在庫切れを防ぐための基本設定と考え方
- 在庫ステータストラッキングの実務的な運用方法
- 在庫切れ商品ページの見せ方と顧客離脱を防ぐ工夫
- 再入荷通知機能の導入パターンと運用の流れ
- メールとSMSによる再入荷通知の設定手順と注意点
- 再入荷データを活用した需要予測と発注数量の見直し
- セールやイベント時の在庫切れリスク管理と事前対策
- 最後に
在庫切れを防ぐための基本設定と考え方
まず押さえておきたいのは、在庫を「実数で正確に把握する」ことと「売れ方の傾向を知る」ことです。Shopifyの在庫管理画面では、商品ごと・バリエーションごとに在庫数を登録できますが、ここでの数値が現場の在庫とずれると、どれだけ高度な設定をしても在庫切れは防げません。入荷・返品・破損など、数量が変動したタイミングで必ず更新する運用ルールをチーム内で共有しておきましょう。また、過去の販売データを簡単に確認し、「よく売れる期間」と「売れない期間」をざっくり把握しておくと、発注のタイミングと数量の目安を立てやすくなります。
- 在庫数の基準ライン(安全在庫)をあらかじめ決めておく
- Shopifyの「在庫がゼロになったら販売停止」か「マイナス販売を許可」のどちらを使うか方針を決める
- 繁忙期・キャンペーン時は、通常時より多めに在庫を確保するルールを設定する
| 商品タイプ | 安全在庫の考え方 | Shopify設定のポイント |
|---|---|---|
| 定番商品 | 平均2〜3週間分を確保 | 在庫切れ時は販売停止にして機会損失を最小限に |
| 季節・イベント商品 | シーズン開始前に多めに発注 | シーズン中は在庫の自動非表示アプリの活用も検討 |
| テスト商品 | 少量で様子を見る | 在庫数が減ったら通知を受ける設定にして反応を確認 |
在庫切れを減らすには、システムの設定だけでなく「どう売るか」の設計も重要です。たとえば、在庫が少ない商品はトップページでの露出を控え、逆に余裕がある商品を目立たせることで、在庫バランスを調整できます。また、同じカテゴリ内で似た商品を用意し、ひとつが在庫切れになっても代替商品へ誘導できるよう商品ページ内に内部リンクを配置しておくと、販売機会を保ちやすくなります。こうした基本的な考え方と、Shopifyの在庫設定・表示ルールを組み合わせることで、無理なく在庫切れを抑えられる運用体制を作ることができます。
在庫ステータストラッキングの実務的な運用方法
日々の運用では、まず「どのタイミングで在庫状況を確認するか」をルーティン化することが重要です。たとえば、毎朝の開店前と、セールやメルマガ配信の前後には必ず在庫数を確認し、必要に応じて販売チャネルごとの公開・非公開を切り替えます。加えて、在庫数が残りわずかになった商品を素早く把握できるように、Shopifyの在庫レポートやフィルター機能を使い、「在庫10個以下」「在庫なし」の商品を絞り込んで確認する運用を習慣化します。
- 毎朝・毎週など、在庫チェックの時間帯を決めておく
- 「在庫少なめ」の基準数量(例:5個・10個)をチームで統一
- セールやキャンペーン前には必ず対象商品の在庫を再確認
- 在庫ゼロの商品は、表示方法(売切れ表示・非表示)をルール化
また、現場で混乱しやすいのが、倉庫内の実在庫とShopify上の在庫数のズレです。これを防ぐには、棚卸しや入出庫のタイミングで必ずShopifyの在庫数を更新するフローを作り、担当者を明確にしておきます。たとえば、商品が入荷したら「入荷担当」がShopify管理画面で在庫を追加し、返品が発生したら「カスタマーサポート担当」が在庫を戻す、というように作業ごとに責任範囲を分けると、更新漏れを防ぎやすくなります。
| 状況 | 担当 | Shopify上の操作 |
|---|---|---|
| 新規入荷 | 入荷担当 | 在庫数を追加・ロケーションを確認 |
| 返品・キャンセル | CS担当 | 在庫を戻す・不良品は別管理 |
| 廃盤・仕様変更 | 商品担当 | 販売停止・商品ページの注記を更新 |
さらに、在庫ステータスを使って社内・お客様の両方に分かりやすく情報を伝える仕組みを整えると、問い合わせ対応の負担を大きく減らせます。商品タイトルや説明文に「予約受付中」「次回入荷予定:〇月上旬」などの文言を追記するほか、ラベル画像やバッジを活用して、ひと目で状況がわかる表示を行います。社内向けには、スプレッドシートやShopifyのレポートを使い、「通常在庫」「在庫わずか」「在庫切れ・再入荷予定あり」「在庫切れ・廃盤予定」といったステータスごとに整理しておくと、広告出稿やメルマガ企画の判断がしやすくなります。
- お客様向け:商品ページに再入荷予定や予約可否を明記
- 社内向け:在庫ステータス別に販促可否を一覧化
- マーケティング:再入荷予定商品には事前に「再入荷通知」導線を設置
在庫切れ商品ページの見せ方と顧客離脱を防ぐ工夫
在庫が切れた商品ページは、単に「購入できないページ」ではなく、今後の売上や顧客との関係づくりにつながる重要な接点です。まず意識したいのは、ユーザーが「なぜ買えないのか」と「今後どうすればよいのか」をひと目で理解できることです。例えば、在庫状況を明確なメッセージとともに表示し、再入荷予定があれば日付や目安時期も記載します。また、画像や説明文はそのまま残しつつ、購入ボタンのラベルを変更することで混乱を防ぎます。
- 「カートに追加」ボタンを「現在在庫切れ」に変更
- 再入荷通知登録フォームをボタン直下に配置
- 再入荷予定が未定の場合は「時期未定」であることを明記
- 似ている代替商品のリンクやコレクションへの導線を設置
顧客離脱を防ぐには、「ここで終わり」ではなく「次の選択肢」を提示することが大切です。再入荷待ちの顧客には通知登録を促し、それ以外の顧客には代替商品や人気商品カテゴリーへ自然に誘導します。下記のように、ページ上で案内内容を整理しておくと、オペレーション側も運用しやすくなります。
| 要素 | 表示内容の例 | 目的 |
|---|---|---|
| 在庫ステータス | 「現在在庫切れ(再入荷予定:〇月下旬)」 | 状況を正確に伝える |
| 通知フォーム | メールアドレス入力+「再入荷を知らせてもらう」ボタン | 機会損失の軽減 |
| 代替提案 | 「似ている商品」「同シリーズの別カラー」へのリンク | 他商品の検討を促す |
| 安心感の一言 | 「再入荷時には優先的にご案内いたします。」 | 離脱の抑制と信頼感の向上 |
再入荷通知機能の導入パターンと運用の流れ
再入荷通知の仕組みは、大きく分けてshopifyアプリを使う方法と、外部ツール(メール配信システムやCRM)と連携する方法があります。非エンジニアでも扱いやすいのはアプリ型で、テーマ編集が最小限で済み、既存のカート画面や商品詳細ページに「在庫切れ時の通知ボタン」を追加できます。一方で、既にメールマーケティングツールを使っている場合は、そのツールと連携できるアプリを選ぶことで、顧客データの一元管理や、フォローメールまで含めた運用の自動化がしやすくなります。
- ボタン表示パターン:「入荷お知らせメールを受け取る」ボタンを在庫切れ時のみ表示
- 入力情報:会員はログイン情報、ゲストはメールアドレスのみで登録できる形にする
- 通知チャネル:メール中心だが、LINEやSMS連携ができるアプリも検討
- 対象商品の決め方:すべての在庫切れ商品ではなく、リピート率の高い定番商品から優先導入
| 運用ステップ | 担当者の作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 設定 | アプリ導入・ボタン文言と表示条件を設定 | お客様目線で分かりやすい文言に調整 |
| 2. 受付 | 自動で通知リストを蓄積(特に作業なし) | どの商品に需要が集中しているかを定期確認 |
| 3. 再入荷 | 在庫を更新すると通知が自動送信 | 再入荷時刻をできるだけ固定しておくと分析しやすい |
| 4. 振り返り | 通知後の売上・在庫残数をチェック | 入荷数量とタイミングの見直しに活用 |
メールとSMSによる再入荷通知の設定手順と注意点
メールとSMSの再入荷通知は、Shopifyアプリを活用することで比較的簡単に導入できます。まず、通知機能に対応したアプリをインストールし、対象となる商品ページに「在庫が戻ったら知らせる」フォームを設置します。フォームでは、メールアドレス入力欄と電話番号入力欄を分けておくと、顧客が好みの連絡手段を選びやすくなります。その後、在庫ステータスが「在庫切れ」から「在庫あり」に変わったタイミングで、自動的に通知が送信されるようにアプリ側でトリガーを設定します。
- メール通知:低コストで一斉配信しやすく、本文も長めに書けるため商品説明や関連商品の案内と相性が良い。
- SMS通知:開封率が高く、即時性に優れる一方、文字数が限られ送信コストもかかりやすい。
- 同時利用の設計:同じ顧客に対してメールとSMSが重複送信されないよう、どちらを優先するかポリシーを決めておく。
| 項目 | メール | SMS |
|---|---|---|
| 同意取得 | チェックボックスで明示 | 電話番号入力+SMS同意文 |
| 文面の長さ | 詳細案内に向いている | 要点のみ簡潔に記載 |
| 注意点 | 迷惑メールフォルダ対策 | 配信回数と時間帯の配慮 |
運用時の注意点として、まず事前の同意取得が不可欠です。メール・SMSともに「再入荷通知を希望する」という明示的なチェックボックスを設置し、特にSMSは「通信料が発生する場合がある」「プロモーションを含む連絡になる可能性がある」などの文言を添えておきます。また、送信頻度と時間帯にも配慮し、例えば1商品につき1回のみ通知、SMSは9:00〜20:00の間に限定といったルールを社内で決めておくとトラブルを防げます。さらに、解除用リンク(メール)や「配信停止」の案内(SMS)を必ず記載し、顧客がいつでも簡単に受信をやめられる状態を保つことが、長期的な信頼維持につながります。
再入荷データを活用した需要予測と発注数量の見直し
再入荷通知で集まったデータは、「どの商品をどのくらい待っている人がいるか」を示す、現場に近い需要情報です。これを単なる参考値にせず、仕入れや発注の判断材料として整理すると、在庫切れや売れ残りのリスクを抑えやすくなります。たとえば、再入荷通知の登録数と、実際の販売数・在庫切れ期間をセットで記録し、次回発注時の数量やタイミングを見直すことで、感覚ではなく実績にもとづいた発注計画に近づけられます。
- 再入荷通知登録数:どの商品にどれだけ購入ニーズがあるかを把握
- 在庫切れ日数:欠品期間が長いほど、機会損失が大きい可能性
- 再入荷後の販売スピード:どのくらいの期間で在庫が消化されたかを確認
- 通常時の販売ペース:セールやキャンペーンの影響を除いた日常的な売れ行き
| 指標 | 確認のポイント | 発注見直しの例 |
|---|---|---|
| 再入荷通知登録数が多い商品 | 在庫切れ中にも高いニーズが継続している | 次回は安全在庫を上乗せして発注 |
| 再入荷後すぐ完売する商品 | 再入荷数量が明らかに不足している | 発注ロットを前回比1.5〜2倍に増やす |
| 通知は多いが消化が遅い商品 | 「通知登録=即購入」とは限らない | 仕入先リードタイムを考慮し少しずつ追加発注 |
| 通知も販売も少ない商品 | テコ入れか、取扱い見直しが必要 | 発注頻度を下げるか、バリエーションを整理 |
セールやイベント時の在庫切れリスク管理と事前対策
セールやイベントでは通常時よりも注文ペースが大きく変動するため、まずは「どの商品が、どれくらい売れる可能性があるか」を事前に可視化しておくことが重要です。過去のセール実績や、アクセス解析・お気に入り登録数などをもとに、売れ筋・準売れ筋・在庫調整が必要な商品を事前に分類しておくと、仕入れ量や在庫配置の判断がしやすくなります。また、キャンペーン開始前に倉庫側と出荷能力をすり合わせておくことで、在庫はあるのに「出荷対応が追いつかず販売停止」という事態も防ぎやすくなります。
| 分類 | 想定動き | 事前対応 |
|---|---|---|
| 売れ筋 | 短期間で集中 | 在庫増量・再入荷通知設定 |
| 準売れ筋 | 安定して売れる | 在庫アラート閾値を高めに設定 |
| 在庫調整枠 | 状況で動かす | バンドル販売や代替提案の候補に |
Shopify上では、在庫切れそのものを完全に避けるだけでなく、「切れたときにどう見せるか」「どう次に繋げるか」をセットで設計しておくことがポイントです。たとえば、セール期間中は以下のような設定・運用ルールを事前に決めておくと、機会損失を抑えつつ顧客体験を保ちやすくなります。
- 再入荷通知の必須化:在庫が減りそうな商品は、必ず再入荷通知フォームを設置しておく
- 代替商品の提案:在庫切れ時に自動で類似商品・上位モデルをレコメンド表示
- 在庫アラート運用:「残り◯個」でSlackやメール通知が飛ぶアプリを導入し、担当者を明確化
- 販売チャネルの優先順位付け:在庫が限られる商品は、自社サイト優先・モール側は数量制限をかける
さらに、セール当日の「その場しのぎ」ではなく、あらかじめルールをテンプレート化しておくと運用が安定します。たとえば、在庫数に応じて商品ページの表示内容を切り替える方針を決めておくと、担当者が変わっても対応がぶれにくくなります。
| 在庫状況 | 表示メッセージ例 | 運用ルール |
|---|---|---|
| 残り僅か | 「残りわずかです。 在庫がなくなり次第、再入荷通知のみの受付となります。」 |
在庫しきい値到達で担当者へ自動通知 |
| 在庫切れ・再入荷予定あり | 「現在在庫切れです。 入荷予定:◯月下旬(変更の可能性あり)」 |
再入荷通知フォームを必ず表示 |
| 在庫切れ・再入荷未定 | 「現在在庫切れです。 再入荷が決まり次第、メールでお知らせします。」 |
類似商品のリンクを優先表示 |
最後に
本記事では、在庫切れ商品の基本的な考え方から、Shopify上でのステータス管理、再入荷通知の設定方法、そして運用時の確認ポイントまでを整理しました。
在庫切れは完全に避けることが難しい一方で、「どの商品が・いつ・どのくらい不足しているのか」を把握し、お客様への案内方法や通知の仕組みを整えておくことで、機会損失を抑えながら信頼を維持することが可能です。特に、
– 在庫ステータスを正しく更新すること
– 商品ページの表示内容(在庫切れ時の文言)を統一しておくこと
– 再入荷通知の運用ルール(対象商品・タイミング・文面)を決めておくこと
は、日常の在庫管理を安定させるうえで重要なポイントになります。
まずは、自店舗の商品構成や入荷サイクルを踏まえ、「どの程度の在庫切れまでは許容するのか」「どの商品で再入荷通知を活用するのか」といった自社なりの基準を決めるところから始めてみてください。そのうえで、今回ご紹介した設定や運用の手順を、実際のショップの画面を確認しながら少しずつ取り入れていくと、無理なく改善につなげやすくなります。
在庫管理と再入荷通知の仕組みは、一度整えて終わりではなく、販売状況に応じた見直しが欠かせません。定期的にデータを振り返り、自店舗に合った形に調整しながら、継続的な運用改善に役立てていただければ幸いです。
