ネットショップの売上が順調に伸びてくると、必ず一度は耳にするのが「Shopify Plus」という選択肢です。
「通常プランのままで十分なのか」「Plusにすると何が変わるのか」「コストに見合うメリットが本当にあるのか」――こうした疑問を持つご担当者の方も多いのではないでしょうか。
Shopify Plusは、大規模な売上や複数店舗運営、高度なカスタマイズが必要な事業者向けに用意された上位プランです。しかし、「どれくらい売上があれば検討すべきか」「通常プランで対応できる範囲との境目」が分かりづらく、判断が難しい領域でもあります。
本記事では、非エンジニアのEC運営担当者の方にも分かりやすいように、専門用語をできるだけ避けながら、
– Shopify通常プランとShopify Plusの主な違い
– Shopify Plusを検討すべきタイミングや目安
– 実際の運営で影響が出やすいポイント(運用工数・機能・サポート体制など)
を整理して解説します。
自社のフェーズや運営体制に照らし合わせながら、「今は通常プランで十分なのか」「そろそろPlusを検討すべきなのか」を判断するための材料としてご活用ください。
目次
- Shopify Plusと通常プランの基本的な違いと料金構造
- 月商やアクセス数から考えるshopify Plusへの切り替えタイミングの目安
- 運用効率の改善ポイント カスタマイズ性や自動化機能で何が変わるのか
- プロモーション施策 大規模セールやキャンペーン時にPlusが有利な場面
- 多店舗展開と海外展開 Shopify Plusでできるストア構成と運用パターン
- サポート体制と社内リソース Shopify Plus導入前に確認しておきたいポイント
- Shopify Plusを検討すべき店舗像と通常プランを継続すべきケースの整理
- Future Outlook
Shopify Plusと通常プランの基本的な違いと料金構造
まず大きな違いは、料金の考え方と契約形態です。通常プラン(Basic/Shopify/Advanced)は月額固定+決済手数料のシンプルな構造で、クレジットカード一枚でもオンライン上で完結します。一方、Plusは「エンタープライズ契約」に近く、最低利用料+売上規模に応じたフィーという形が一般的で、見積もりベースで金額が決まります。そのため、月商がある程度以上になっていないと、決済手数料の削減メリットよりも固定費の方が高くつくケースもあります。
| 項目 | 通常プラン | Shopify plus |
|---|---|---|
| 料金イメージ | 月額数千〜数万円 | 月額数十万円〜 |
| 契約方法 | オンライン即時契約 | 営業担当との見積もり契約 |
| 想定規模 | 年商数百万円〜数億円 | 年商数億〜数十億円以上 |
また、料金の違いは使える機能と運営体制にも直結します。通常プランは1店舗単位での運用を前提としており、複数ブランド展開や越境ECを行う場合は、ショップを別途追加してそれぞれ管理する必要があります。plusでは以下のような点が変わります。
- 複数ストア運用を前提にしたライセンス構造(ブランド別・国別ストアをまとめて管理しやすい)
- 専任サポートやオンボーディング支援(立ち上げ〜運営の相談窓口が明確)
- チェックアウトやキャンペーンの高度なカスタマイズ(大規模セールや法人向け販売に対応しやすい)
実務的には、「月額料金そのもの」だけでなく、決済手数料の差・開発コスト・運営工数の削減効果をまとめて比較することが重要です。たとえば、通常プランではアプリを複数入れて対応していた機能が、Plusでは標準機能や限定機能でまとめてカバーできる場合があります。その結果、アプリ費用の削減や運用フローの簡素化が見込めることも多く、「単純な月額の高い/安い」だけでは判断しづらい構造になっている点を押さえておくと検討がしやすくなります。
月商やアクセス数から考えるShopify Plusへの切り替えタイミングの目安
実務の感覚として、切り替えを検討し始めるのは「月商」と「アクセス数」の両面から見るのが現実的です。一般に、月商が700〜1,000万円を安定して超えるあたりから、通常プランのトランザクション費用やアプリ費用がかさみ、Shopify Plusの固定費との差が小さくなってきます。同時に、セールや新商品リリース時のピークトラフィックで、表示速度の低下やカート離脱率の上昇が目立つようであれば、インフラ面の強化としても検討タイミングに入ります。
| 指標 | 通常プランで様子見 | Plus検討を始める目安 |
|---|---|---|
| 月商 | 〜500万円前後 | 700〜1,000万円以上 |
| 月間セッション数 | 〜10万前後 | 20万〜30万以上 |
| 大型セール時の同時アクセス | 数百程度 | 1,000〜数千規模 |
数字だけで判断せず、運営負荷と成長計画も合わせて見ることが重要です。たとえば、次のような状況が増えてきたら、アクセス規模にかかわらず検討に値します。
- セール時やキャンペーン時にレジ落ちや処理遅延への不安がある
- 複数ストア運営や海外展開などで、管理画面や権限管理が煩雑になっている
- アプリの積み上げで月額コストとショップ速度の悪化が目立ち始めた
こうした定性的な課題が、月商・アクセス数の増加と同時に顕在化してきたタイミングが、現場目線ではちょうど切り替えを検討しやすい局面と言えます。
最終的には、「今のコスト構造のまま1〜2年成長し続けた場合」と「Plusに切り替えた場合」を比較し、どちらが運営チームにとって現実的かを判断します。アクセス数が急増する予定(大規模タイアップ、テレビ露出、海外マーケティング強化など)が読めている場合は、事前に切り替えておくことで、現場のトラブル対応を抑えつつ、キャンペーンに集中できる体制を整えやすくなります。その意味で、月商やアクセス数は「後追いの結果」だけでなく、「これからの伸びしろ」を見積もるための指標として捉えるのが実務的です。

運用効率の改善ポイント カスタマイズ性や自動化機能で何が変わるのか
日々のストア運営で「人の手でやるしかない」と感じている作業は、Shopify Plusのカスタマイズ性と自動化機能で大きく削減できます。たとえば、チェックアウトページでの追加項目の表示や法人向け条件の分岐、会員ランクごとの割引ルールなど、これまでアプリの組み合わせや手作業で対応していた部分を、一元的にルール化できます。結果として、オペレーション担当者は「毎日行う作業」から「ルール設計と例外対応」に役割をシフトでき、運用負荷を抑えながらもサービスレベルを維持しやすくなります。
- 割引や送料ルールの自動適用:B2B顧客やVIP顧客に対する条件分岐を、カートやチェックアウトで自動処理
- 承認フローの省略:注文内容に応じた自動タグ付与により、社内承認・確認ステップをテンプレート化
- 在庫・出荷タスクの自動振り分け:倉庫や出荷拠点ごとの分配条件をルール化し、担当者の判断回数を削減
- 顧客対応の標準化:特定条件の注文にのみ自動メールやワークフローを走らせ、抜け漏れを防止
| 運用シーン | 通常プラン | Shopify Plus 活用例 |
|---|---|---|
| セール時の割引設定 | 毎回手動でコード作成・配布 | 条件付き自動割引とワークフローで一括管理 |
| 法人向け価格の提示 | 個別見積りとメモ管理 | 顧客グループ別の価格ルールを事前設定 |
| 再入荷・予約販売 | スプレッドシートと手動メール送信 | 在庫イベントをトリガーに自動通知とタグ更新 |

プロモーション施策 大規模セールやキャンペーン時にPlusが有利な場面
年に数回の大規模セールやシーズンキャンペーンでは、アクセス集中と注文急増を同時にさばく必要があります。通常プランでもクーポンやディスカウントは使えますが、トラフィックが一気に増えると、カート画面や決済ページでの離脱が増えやすくなります。Plusでは、チェックアウトの柔軟なカスタマイズや専用インフラにより、セール時でもできるだけスムーズな購入体験を維持しやすく、結果として「せっかく集客したのに注文につながらない」という状況を抑えやすくなります。
Shopify Plusにするべきタイミングは?通常プランとの違いを徹底解説
1.Shopify Plusとは?
Shopify Plusは、ミッドサイズからエンタープライズビジネス向けに特化したShopifyの上位プランです。このプランでは、高さに応じたパフォーマンスや拡張性、ビジネス成長に必要な機能が提供されます。特に大量のトラフィックや販売を扱う企業に最適です。
2. 通常プランとの違い
| 特徴 | 通常プラン | Shopify Plus |
|---|---|---|
| 月額費用 | 29ドル~ | 2,000ドル~ |
| 販売上限 | なし | 高トラフィック対応 |
| カスタマイズの自由度 | 基礎的なカスタム | 無制限のカスタマイズオプション |
| エンタープライズ向け機能 | 制限あり | 充実した機能群 |
| サポート体制 | 基本的なサポート | 専任のアカウントマネージャー |
3. Shopify plusにするべきタイミング
3.1. ビジネスが急成長しているとき
急速に売上が伸びている場合、Shopify Plusに移行することで、スケーラブルなリソースを確保し、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。
3.2. 繁忙期を迎える前
例年の繁忙期(例:ホリデーシーズン)に向けて、より大きなトラフィックに対応したい場合、早めに移行を検討することが重要です。
3.3.ユーザー体験を向上させたいとき
カスタマイズ性や迅速なチェックアウトプロセスを求める際には、Shopify Plusが効果的です。
3.4.B2Bビジネスが増加しているとき
B2B取引が増加し、特殊な要件やカスタマイズが必要な場合も、Shopify Plusは理想的な選択肢です。
4. Shopify Plusのメリット
- 高パフォーマンスとスピード
- 専任サポートによる安心感
- 高度なデータ解析機能
- 無限のカスタマイズオプション
5. 実際の事例:Shopify Plus移行の成功案例
例えば、あるファッションブランドは、急成長を背景にShopify Plusに移行することで、トラフィックの増加に対応。カスタマイズにより、顧客体験を大幅に向上させ、売上が30%増加しました。
6. 移行の実務的なステップ
6.1. 事前準備
移行前に、現在のデータやマーケティング戦略を見直し、適切な計画を立てます。
6.2. 移行プロセス
新しいプラットフォームへのデータ移行を行い、カスタマイズや設定を確認します。
6.3. テストと最適化
全機能をテストし、パフォーマンスを最適化します。
7.まとめ:Shopify Plusへの移行はビジネスの成長を助ける
Shopify Plusへの移行は、ビジネスの成長に非常に重要です。適切なタイミングを見計らい、慎重に決断しましょう。
また、セールやキャンペーンごとに条件が複雑になりがちな場合も、拡張された自動化機能やスクリプトを使うことで、オペレーションを平準化できます。例えば、
- 会員ランクごとの割引率を自動で出し分け(VIP会員は常に+αの特典など)
- カート金額に応じた段階的な割引(◯円以上で追加割引やノベルティ付与)
- 国・通貨ごとに異なるキャンペーン設計(海外向けと国内向けで条件を変える)
といったルールを、人手で切り替えるのではなく、あらかじめ設定しておくことで、セール期間中も店舗運営チームはサポートや在庫管理など、より重要な業務に集中しやすくなります。
| 観点 | 通常プラン | Plus利用時の違い |
|---|---|---|
| セール時のトラフィック対応 | 急増時はパフォーマンス低下リスク | 高負荷時を想定したインフラとサポート |
| キャンペーン設計 | 単純なディスカウントが中心 | 複数条件を組み合わせた柔軟な施策が可能 |
| 運用負荷 | 手動変更が多く担当者に依存 | 自動化により事前設定と検証で対応 |
| ブランディング | 汎用的なチェックアウト画面 | セール専用の表示やメッセージを反映しやすい |

多店舗展開と海外展開 Shopify Plusでできるストア構成と運用パターン
複数国・複数ブランドを同時に運営する際、どこまでを1つのストア内で完結させ、どこからを別ストアとして切り出すかは、運営コストに直結します。Shopify Plusでは、「1ブランド多言語・多通貨ストア」「国別ストア」「ブランド別ストア」など、目的に応じた構成を柔軟に組み立てることができます。たとえば、同一ブランドでデザインや商品構成はほぼ共通だが、価格や在庫だけ国ごとに変えたい場合は、1つのテーマをベースに複数ストアへ展開し、翻訳・通貨・価格ルールをそれぞれで管理する運用が現実的です。
実際の運用では、次のようなパターンを組み合わせるケースが多く見られます。
- 本国ストアを「基準」とし、ローカルストアを複製してテーマや商品を同期しつつ、支払い方法・配送ルールのみ現地仕様にカスタマイズ
- ブランド別にストアを分けつつ、バックエンド連携は共通にして、在庫・受注データを1つの基幹システムで集約
- テスト用・卸売用などのクローズドストアをPlusの追加ストア枠で運用し、社内検証やBtoB販売に活用
| 構成パターン | 向いているケース | 運用のポイント |
|---|---|---|
| 1ストア多言語 | 同一価格・同一商品で国をまたぐ販売 | 翻訳とカスタマーサポート体制を統一 |
| 国別ストア | 国ごとに価格・配送・決済が大きく異なる | 為替や税制を各ストア単位で管理 |
| ブランド別ストア | ターゲットや世界観がブランドごとに違う | テーマ設計とマーケ施策をブランド単位で最適化 |
サポート体制と社内リソース Shopify Plus導入前に確認しておきたいポイント
高度な機能や大規模トラフィックに耐えられる環境が整っていたとしても、それを活かす社内体制がなければ、Plus導入の効果は限定的です。特に、中長期で運用していくことを考えると、日々の更新やキャンペーン設計、アプリ選定などを担う「現場オペレーション」と、契約・予算管理、外部パートナー調整を担う「ビジネスサイド」が、役割と責任範囲を明確にしておく必要があります。専任担当者がいない状態で、現場が片手間で運用すると、せっかくの機能拡張や自動化の設計が後回しになり、通常プランと変わらない使い方にとどまってしまうケースも少なくありません。
- 社内で必須となる主なロール
- 日常運用:商品登録、ページ更新、キャンペーン設定
- 施策設計:セール戦略、CRM施策、LPOの企画
- 技術・設定:テーマ設定、アプリ選定・連携、軽微なカスタマイズ
- プロジェクト管理:要件整理、パートナー折衝、スケジュール管理
- 外部パートナーに委託しやすい領域
- テーマカスタマイズやフロントエンド改修
- 複雑なアプリ連携や基幹システムとの連携
- デザイン制作、UI/UX改善提案
| 確認ポイント | 社内対応 | 外部委託の目安 |
|---|---|---|
| 日々の運用工数 | 週何時間確保できるかを明文化 | 繁忙期のみサポートを追加 |
| 技術的な知見 | テーマ設定レベルまでを内製 | コード編集やAPI連携は外注 |
| サポートの窓口 | Plusサポートに問い合わせる担当を決める | パートナー経由での支援体制を確認 |
特にShopify Plusでは、専任のアカウントマネージャーや24時間対応のサポートなど、通常プランにはない支援メニューが利用できますが、これも「誰が」「どのタイミングで」「どのような課題を相談するか」が決まっていないと活用し切れません。社内のスキルセットや工数、今後1〜2年の売上目標や施策の量を棚卸ししたうえで、どこまでを自社で対応し、どこからをパートナーに任せるのかを整理しておくと、導入後の混乱を抑えつつ、プラットフォームの特性を無理なく引き出せます。
Shopify Plusを検討すべき店舗像と通常プランを継続すべきケースの整理
まず、検討の起点になるのは「売上規模」と「運営体制」です。経験上、月商が概ね1,000〜2,000万円前後を安定して超え、セール時にはアクセス集中が起きやすい店舗では、Plusの恩恵を感じやすくなります。特に、複数ブランドの一元管理や、BtoB向けの卸販売をEC上で本格展開していきたい場合、アカウント構成や権限管理、チェックアウトの拡張性が後々のボトルネックになりがちです。こうした「今は何とか回っているが、この先の成長を考えると不安がある」状態が見え始めたタイミングが、Plusを現実的な選択肢として検討すべき目安になります。
- Plus検討に向くケース
- 大規模セールやキャンペーンを年間を通じて頻繁に実施する
- 会員ランクごとに細かな割引・特典設計をしたい
- 海外向けに複数通貨・複数ストアの展開を予定している
- ブランドごとにストアを分けつつ、運営は共通チームで管理したい
- 社内システム(在庫・会員基盤・ポイント)との連携をより密に行いたい
| 状況 | Plus検討 | 通常プラン継続 |
|---|---|---|
| 月商〜1,000万円 | 将来構想が明確なら検討候補 | 通常プランで十分 |
| カスタマイズ要件 | 独自チェックアウトや高度な自動化が必要 | テーマ編集とアプリで概ね対応可能 |
| 運営リソース | 専任担当・外部パートナーを確保できる | 少人数で運用し、作業負荷を増やしたくない |
一方で、通常プランを継続した方が合理的なケースもはっきり存在します。たとえば、単一ブランドで国内販売に集中しており、カスタマイズも「テーマ編集+アプリ」で十分に対応できている場合は、コストとのバランスを考えると無理にPlusへ移行する必要はありません。また、社内にシステム担当がいない、外部パートナーもまだ選定中といった状態では、Plus特有の柔軟性をうまく使い切れないことが多く、まずは通常プランで運用を固め、売上・組織・要件が一定レベルまで整ってから再検討する方が結果的にスムーズです。
Future Outlook
本記事では、Shopify 通常プランと Shopify Plus の違いや、移行を検討すべきタイミングの目安について整理してきました。
最終的に大切なのは、「自社の現状」と「今後 1〜2 年の成長イメージ」に Shopify Plus が本当に合っているかどうかを、数字と運用面の双方から冷静に判断することです。
売上規模やアクセス数だけでなく、
– 運営担当者の工数や体制
– 必要としている機能(B2B、複数ストア運用、自動化など)
– 社内での開発・運用スキルの有無
– 外部パートナーとの連携体制
といった点も含めて総合的に検討することで、無理のないプラン選択がしやすくなります。
もし「今すぐ Plus に移行すべきかは判断できない」という場合でも、
通常プランのまま運用改善やアプリ活用を進めつつ、将来 Plus が必要になったときに備えて要件を整理しておくことは十分に有益です。
自社の課題と成長ステージに合わせて、最適なタイミングで最適なプランを選択できるよう、本記事の内容が判断材料の一つとしてお役に立てば幸いです。
