ネットショップの集客やアクセス数は伸びているのに、「カートに入れてくれない」「お問い合わせにつながらない」と感じていないでしょうか。
その原因のひとつとしてよく挙げられるのが、「CTA(Call To Action:行動喚起)」の設計や配置が適切でないことです。
CTAとは、「カートに入れる」「購入する」「お問い合わせ」「メルマガ登録」など、お客様に次の一歩を踏み出してもらうためのボタンやリンクを指します。デザインや文言、置き場所が少し変わるだけで、同じアクセス数でも売上や問い合わせ件数が大きく変わることがあります。
本記事では、特別な専門知識やコーディングスキルがない方でも実践しやすい、「shopifyで売上アップに直結しやすいCTA最適化の考え方と具体的な改善ポイント」を整理して解説します。
日々の運営の中で無理なく取り入れられる工夫を中心にご紹介しますので、自社ショップの状況と照らし合わせながら、改善のヒントとしてご活用ください。
目次
- CTAボタンの基本設計を見直す 配置 色 文言の考え方
- モバイルユーザーを意識したCTA設計 スクロール位置と表示タイミングの最適化
- 購買心理に沿ったCTA文言づくり 不安解消と行動イメージの具体化
- ABテストと計測指標の設定でCTAを継続的に改善する方法
- Insights and Conclusions
CTAボタンの基本設計を見直す 配置 色 文言の考え方
まず見直したいのは、ボタンの配置です。ユーザーはスクロールしながら「次に何をすればいいか」を常に探しています。商品ページであれば、主要なCTA(例:購入ボタン)は「ファーストビュー」と「商品説明の直下」「レビュー付近」の少なくとも3カ所に配置すると、迷わせずに行動を促しやすくなります。また、モバイルでは親指の届きやすい画面下部に固定ボタンを設置することで、カート投入や問い合わせにスムーズにつなげられます。
- PC:ファーストビュー+商品詳細下+ページ終端付近
- モバイル:画面下部の固定バー+商品画像付近
- 共通:1画面内に「次の行動」が必ず見えるようにする
| 配置パターン | 用途 | ポイント |
|---|---|---|
| 単一CTA集中型 | 単品通販 | 迷わせず1ボタンに集約 |
| 複数CTA併用型 | ECモール風 | 「今すぐ購入」と「カートに追加」を併設 |
| 固定バー併用型 | モバイル重視 | 常にアクションを取れる状態に |
次に色は、「ブランドカラー」と「行動を促すカラー」の役割を分けて考えます。全体のデザインに溶け込みすぎる色をCTAに使うと、ユーザーの視線に入りにくくなります。背景やヘッダーの色とコントラストがはっきりする色を1色だけ「メインCTA専用色」として決め、サイト内で乱用しないことが重要です。たとえば、ブランドカラーが落ち着いたグリーンであれば、CTAにはやや明度を上げたグリーンか、補色寄りのオレンジ系を検討する、といった具合に「目立つが浮かない」バランスを探ります。
- ボタン色は「1サイト1〜2色」に絞る
- ナビやバナーと同じ色は避け、役割を分離する
- ホバー時の色変化で「押せる要素」であることを明示
最後に文言ですが、抽象的なコピーよりも「ユーザーがこのボタンを押すと何が起きるか」を具体的に伝える表現が有効です。「購入」よりも「カートに入れて購入手続きへ進む」、「お問い合わせ」よりも「在庫・サイズについて相談する」のほうが、行動後のイメージがしやすくなります。また、同じページ内で似た役割のボタンが複数ある場合は、テキストを揃えて混乱を防ぎます。
| NG例 | 改善例 | 意図 |
|---|---|---|
| 送信 | 内容を確認して問い合わせる | 次のステップを明示 |
| 購入 | カートに入れて購入手続きへ | カート経由であることを説明 |
| 登録 | 無料会員として登録する | 料金とメリットを明確化 |
モバイルユーザーを意識したCTA設計 スクロール位置と表示タイミングの最適化
モバイルでは、ユーザーは「片手・短時間・ながら見」が前提になるため、CTAは常に視界に入りやすい位置に置くことが重要です。商品ページであれば、ファーストビュー内に最低1つ、スクロール後も指の動線に沿って自然に触れられる位置に2〜3回登場させると反応が取りやすくなります。特に「カートに追加」「購入手続きへ」は、テキストリンクだけでなく、指で押しやすいボタンとして配置し、余白をしっかりとることで誤タップを防げます。
- ファーストビュー:商品画像のすぐ下に主要CTAを1つのみ配置
- 説明文の途中:長文になる場合は、中間に補助的なCTAボタンを追加
- ページ下部:レビューやFAQを読み終えた直後に再度CTAを配置
- フッター手前:「迷ったときの相談」などサポート系のCTAを控えめに表示
| スクロール位置 | おすすめCTA | 表示タイミングの考え方 |
|---|---|---|
| 画面上部 | カートに追加 | 最初の5秒で目的を示す |
| 説明文の40〜60%あたり | サイズ・カラー選択付きCTA | 情報を読み始めてから迷う前に提示 |
| レビュー直後 | 「この商品を購入する」ボタン | 安心感が高まったタイミングで後押し |
| 画面下部 | チャット・問い合わせ | 購入をためらったユーザー向けの逃げ道 |
さらにモバイル特有の工夫として、スクロールに応じて現れる固定ボタンの活用があります。ページ上部ではCTAを控えめにし、ユーザーが一定量(例:50%程度)スクロールしたタイミングで、画面下に小さめの固定CTAを表示すると、閲覧の邪魔をせずにいつでもアクションできる状態を保てます。注意したいのは、ポップアップの多用や画面を占有する大型バナーは離脱の原因になる点です。モバイルでは「常に見えるが、主役にはなりすぎない」バランスを意識し、以下のようなポイントを確認しながら運用すると改善が進めやすくなります。
- 親指が届く範囲(画面下1/3あたり)に固定CTAを設置する
- スクロール量に応じて表示/非表示を切り替え、情報閲覧を妨げない
- ボタン文言は「今すぐ」などの強い表現より、行動内容を具体的に書く
- 計測ツールで「どの深さでタップされているか」を定期的に確認し、配置を微調整する
購買心理に沿ったCTA文言づくり 不安解消と行動イメージの具体化
クリック直前のユーザーは、「本当に自分に合うのか」「あとで後悔しないか」といった漠然とした不安を抱えています。そこで、CTAのすぐ近くに不安を想定した一文を添えると、離脱を抑えられます。たとえば、返品・キャンセル・支払い方法・個人情報といったよくある不安要素に対して、短く安心材料を提示します。
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- 「安全な決済と暗号化通信を採用」でセキュリティを明示
- 「サイズが合わない場合は交換無料」で購入後のリスクを低減
また、「このボタンを押したら次に何が起こるか」がイメージできると、クリックへの心理的抵抗は下がります。曖昧な「送信する」「購入」だけでなく、ステップと結果をセットで伝える表現が有効です。
| ユーザー心理 | 避けたいNG例 | 改善したCTA例 |
|---|---|---|
| 「今押すとどうなる?」 | 送信する | 1分で見積もりを受け取る |
| 「ちゃんと届く?」 | 今すぐ購入 | 最短◯日で届けてもらう |
| 「情報が漏れない?」 | 登録 | 安全な会員登録を完了する |
Shopifyでは、商品ジャンルや価格帯によってユーザーの迷い方が変わるため、CTAの周辺コピーも調整します。高単価商材なら、保証・サポート・導入実績などをボタンの近くにまとめ、低単価・リピート前提の商品なら、「カートに入れて比較する」「あとから数量変更OK」のように「とりあえずの一歩」を促す表現が効果的です。実店舗であればスタッフが口頭で伝える「よくある質問への回答」を、オンラインではCTAのすぐ横にテキストで配置するイメージで設計すると、購入までの心理的なつまずきを減らせます。
ABテストと計測指標の設定でCTAを継続的に改善する方法
ボタンの色や文言をなんとなく変えるのではなく、仮説→テスト→検証をループさせることで、コンバージョン率を計画的に高めていきます。まずは、1回のテストで変える要素を1つに絞ることが重要です。例えば、テキスト「カートに追加する」を「今すぐ購入」に変える、ボタンサイズを大きくする、配置を折りたたみ位置より上に出す、などです。複数の要素を同時に変えると、どれが結果に効いたのか判断できません。テストは最低でも1〜2週間、トラフィックが少ないショップならもう少し長めに期間を取り、曜日による偏りが平均化されるようにします。
改善効果を正しく判断するためには、事前に見るべき指標を決めておくことが欠かせません。基本的によく使うのは以下のような指標です。
- CTR(クリック率):CTAボタンが表示された回数に対して、クリックされた割合
- カート追加率:商品ページ閲覧数に対して、カート追加に至った割合
- 購入完了率:カート追加数に対して、注文完了に至った割合
- 平均注文額:CTA改善後に客単価が上がっているかどうか
これらをテスト前後、またはA/Bそれぞれで比較し、数値の差が誤差なのか、意味のある変化なのかを見極めていきます。
| テスト例 | 主な指標 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| CTA文言変更 「カートに追加」→「今すぐ購入」 |
CTR / 購入完了率 | クリックだけ増えて、購入完了が落ちていないか |
| ボタン色変更 グレー→コントラストの強い色 |
CTR | 視認性が上がり、迷いなく押されているか |
| 配置変更 折りたたみ位置上へ移動 |
カート追加率 | ページスクロール前の離脱が減っているか |
テスト結果が期待通りでなくても、それは「うまくいかないパターンを1つ減らせた」というデータです。Shopifyのテーマエディタやアプリを使えば、コードを書かずにバリエーションを用意できます。小さな仮説を短いサイクルで回しながら、「どのような訴求や配置なら、うちのお客様は迷わず行動できるのか」という、自店特有のパターンを蓄積していくことが、継続的な改善につながります。
Insights and Conclusions
本記事では、Shopifyストアの売上向上につながるCTA最適化の基本的な考え方と、具体的な改善方法について整理しました。
CTAは、デザインや文言を少し変えるだけでも成果が変わる要素です。しかし、正解がひとつ決まっているわけではなく、「自社の顧客にとってわかりやすく、行動しやすいかどうか」を検証しながら調整していくことが重要です。
まずは、
– もっとも重要なCTAを1つ決める
– ボタンの配置や色、サイズを整理する
– 文言を「お客様目線」で見直す
– 小さなA/Bテストから始める
といった、取り組みやすい部分から着手してみてください。
継続してデータを確認し、仮説と検証を繰り返すことで、ストアごとに最適なCTAの形が見えてきます。本記事の内容が、日々の運営の中でCTAを見直すきっかけとなり、よりスムーズな購入体験づくりにお役立ていただければ幸いです。

