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ShopifyでECを始める前に必ず決めておくべき5つのこと

2026 2/05
2026年2月5日
ShopifyでECを始める前に必ず決めておくべき5つのこと

「とりあえずShopifyでお店を作ってみよう。」
そう思い立って管理画面を開いたものの、テーマ選びや設定の途中で手が止まり、気づけば作業がストップしてしまった──。そんな経験はないでしょうか。

Shopifyは、専門的な知識がなくてもオンラインショップを構築できる強力なプラットフォームです。しかし、「なんとなく始める」だけでは、途中で迷走したり、公開後に大きな手戻りが発生したりします。デザインを変えるのは簡単でも、「軸」そのものを後から修正するのは想像以上に大変です。

そこでこの記事では、「ShopifyでECを始める前に必ず決めておくべき5つのこと」を整理します。
開店準備の段階で押さえるべきポイントを明確にしておくことで、ストア構築の迷いが減り、運用開始後のトラブルやムダなコストを最小限に抑えることができます。

これからShopifyでECを立ち上げたい方はもちろん、すでに構築途中で「これでいいのか」と不安を感じている方も、一度立ち止まって確認してみてください。あなたのショップづくりの”土台”となる5つの決めごとを、順番に解説していきます。

目次

ターゲット像を言語化する カスタマージャーニーまで描けていますか

「20〜30代の女性」や「EC初心者の法人オーナー」といったラベルだけでは、どんなに洗練されたShopifyのテーマを選んでも成果にはつながりません。年齢・性別・年収といった属性情報よりも、その人がどんな日常を過ごし、どんな瞬間に不便やモヤモヤを感じ、何をきっかけに商品を探し始めるのかを、文章レベルで描き切ることが重要です。理想は、1日のタイムラインが思い浮かぶほどの具体性です。

言語化のときは、ペルソナシートを作るよりも、短いストーリーを書く方が有効です。たとえば、「在宅ワークで外出が減り、運動不足を感じている30代女性」が、夕方にSNSを眺めながら「自宅でできる軽い運動」を検索し、レビューを読み比べている様子を物語として書いてみます。そうすることで、以下のような行動の”伏線”が自然に見えてきます。

  • どのタイミングでスマホを手に取るのか
  • 最初に開くのは検索エンジンか、Instagramか
  • 価格よりも口コミ・機能性・デザインのどれを優先しているのか
  • 不安を解消する決め手は何か(返金保証・着用イメージ・レビュー数など)

ここまでイメージできたら、次は「出会い〜検討〜購入〜リピート」までの流れを、シンプルなカスタマージャーニーとして整理します。WordPressであれば、下記のようなテーブルを記事内に差し込み、チームと共有するのもひとつの方法です。

フェーズ 顧客の行動 感情・課題 あなたが用意すべきもの
認知 Instagramで投稿を見る なんとなく興味 世界観の伝わるビジュアル
検討 Googleで検索 他と比較したい 一覧性の高い商品ページ
購入 カートに入れる 本当に失敗しないか不安 送料・返品条件の明示
リピート メルマガやLINEを読む 良かったらまた買いたい 使いこなし情報と提案

このレベルまで整理できてはじめて、どのチャネルに広告費を投下するか、shopifyのどのアプリでどのタッチポイントを補強するかがクリアになります。たとえば、検討フェーズで離脱が多いならレビュー機能を強化し、リピートが弱いならステップ配信型のメールマーケティングを優先する、といった設計が可能です。感覚や「なんとなくターゲットっぽい人」に合わせるのではなく、言語化された人物像と旅路に沿って、サイト構成・コンテンツ・マーケティングの一つひとつを配置していきましょう。

何をどこまで自社でやるか Shopify運営体制と外注の線引きを決める

何をどこまで自社でやるか Shopify運営体制と外注の線引きを決める

Shopifyは「誰でも簡単に始められる」一方で、やるべきことの幅が広く、すべてを自社で抱え込むとあっという間にリソースが枯渇します。最初に決めておきたいのは、事業のコアに直結する領域は自社で握り、それ以外は積極的に外注するという大枠の考え方です。たとえば、ブランドコンセプトや商品企画、顧客とのコミュニケーション方針など、意思決定が絡むものは社内で完結させるべき中枢領域です。一方で、専門性が高い施策や、作業量は多いが判断軸がシンプルな業務は、早めに外部パートナーの力を借りることで、立ち上がりの速度とクオリティを同時に高められます。

まず全体像を整理するために、Shopify運営で発生する代表的な業務を棚卸ししてみましょう。以下のように、日々の運用タスクを粒度細かく書き出し、「判断が必要か」「再現性が高いか」という観点で分類していくと、任せる・任せないの線が見えやすくなります。

  • ストア構築・テーマカスタマイズ
  • 商品登録・在庫管理・価格変更
  • デザイン制作(バナー・LP・メールテンプレートなど)
  • 広告運用・SEO・SNS運用・メルマガ配信
  • カスタマーサポート・受注処理・発送業務
  • 分析レポート作成・施策立案・改善サイクルの設計
領域 自社で担う意味 外注が向くケース
ブランド・商品企画 世界観と利益構造の核になる リサーチや調査部分のみ委託
クリエイティブ制作 トンマナ管理と最終判断 デザイン・撮影をプロに任せる
集客・広告運用 KPI設計と予算配分を握る 運用・レポート作成を委託
CS・物流 顧客体験の基準づくり フルフィルメントや窓口の代行

線引きのポイントは、単純に「得意か不得意か」だけではありません。「ノウハウとして社内に蓄積したいかどうか」という視点も重要です。たとえば広告運用は、最初からすべてを代理店任せにすると、社内に数字感覚や判断軸が育たず、いつまで経っても外部依存から脱却できません。逆に、細かいバナー制作やコーディングまで内製しようとすると、肝心の戦略や商品開発に時間が割けなくなります。将来の体制像を見据えつつ、「どの知識とスキルを会社の資産として持っておくべきか」を逆算して決めていくことが、長期的な競争力につながります。

実際の運営フェーズでは、はじめから白黒はっきり線を引くよりも、段階的に内製化・外注化のバランスを変えていく運用が現実的です。立ち上げ初期は、ストア構築やデザインなど時間のかかる部分を外注し、商品開発や顧客対応の設計に集中する。その後、売上規模の拡大とともに、分析やクリエイティブディレクションなどを社内に取り込んでいく。こうした段階ごとの役割整理をしておくと、採用計画やパートナー選定も行いやすくなります。

最後に、外注すると決めた領域については、単なる「作業の丸投げ」ではなく、パートナーと一緒に仕組みを作る意識が欠かせません。具体的には、

  • KPI・成果指標とレポート形式を最初に明文化する
  • ブランドガイドラインやNG例を共有して判断の軸を揃える
  • 定例ミーティングで学びや改善点を言語化し、社内に還流させる

といったルールを整えておくことで、「任せたら終わり」ではなく「任せるほどに強くなる」運営体制を構築できます。その前提として、何をどこまで自社で担い、どこから外部の知恵と手を借りるのか――この線引きを文章として残し、社内で共有しておくことが、Shopify運営のブレない軸になっていきます。

収益を左右する商品設計 原価構成と利益シミュレーションを先に固める

収益を左右する商品設計 原価構成と利益シミュレーションを先に固める

「とりあえず売ってみて、後から値段を調整すればいい」は、赤字を量産する典型的なパターンです。ECでは、一見黒字に見えても、原価に含めるべき項目を見落とすと、気付いたときにはキャッシュが減り続けるビジネスになりがちです。商品ごとに1点売れたときの”利益ストーリー”を先に設計しておくことで、「たくさん売れたのにお金が残らない」という事態を防げます。

まずは、「仕入れ値+見えやすいコスト」だけで考えるクセをやめて、EC特有の”見えにくい原価”まで洗い出します。たとえば、以下のような項目は、1商品あたりに必ず按分しておきたいコストです。

  • 決済手数料(クレジットカード・Shopify Payments など)
  • 梱包資材費(段ボール、緩衝材、同梱チラシなど)
  • 配送費(送料の実費・補填額)
  • 広告・プロモーション費(1注文獲得あたりの目安)
  • アプリ・サブスク費用(Shopifyアプリ、外部ツール等の月額を按分)
項目 内容 1点あたり例
商品原価 仕入れ・製造コスト ¥2,000
販売関連コスト 決済・梱包・送料 ¥800
集客コスト 広告・クーポン等 ¥400
合計原価 実質的な1点分のコスト ¥3,200

この「合計原価」が見えたら、次は販売価格と利益率のシミュレーションです。たとえば販売価格を¥4,800にする場合、粗利は¥1,600、粗利率は約33%。ここからさらに、在庫リスクや不良品交換分、セール時の値引き幅を考慮すると、「最低でもこの価格帯で売らないと事業として続かない」というラインが見えてきます。逆に、粗利率が高すぎるなら、価格を下げて競争力を高めたり、同梱物やアフターサービスを厚くしてブランド価値を演出するという選択もできます。

もう一歩踏み込むなら、売上規模ごとの利益シナリオを先に描いておくと、Shopifyのテーマやアプリ選定、物流の外注可否といった運用設計も決めやすくなります。

  • 月商30万円:自宅在庫・手作業出荷で固定費を極小に抑える
  • 月商100万円:梱包やカスタマーサポートの一部を外注し、時間を集客に再投資
  • 月商300万円:フルフィルメント委託やシステム投資を前提に、粗利率を高めに設計

このように、価格を「なんとなく市場相場で決める」のではなく、原価構成と収益シミュレーションを先に言語化しておくことで、Shopifyストアのデザインからプロモーション戦略まで、一貫した”稼げる設計図”として進めることができます。

集客はオープン前から始まっている SNSと広告の役割分担を設計する

集客はオープン前から始まっている SNSと広告の役割分担を設計する

ストアを公開した瞬間にお客様が押し寄せる状態をつくるには、「公開してから宣伝する」のでは遅すぎます。鍵になるのは、オープン前からSNSで世界観をじわじわ浸透させつつ、広告では「狙って届ける」準備を進めておくこと。つまり、ファンを育てる場所と、売上につなげる導線を強化する場所を最初から切り分けて考えることが重要です。

SNSは、まだ商品を知らない人に「なんとなく気になる存在」と思ってもらうための土壌づくりに最適です。投稿内容には、売り込みよりも以下のようなストーリー性や共感要素を意識してみてください。

  • ブランドの裏側:開発ストーリー、制作風景、失敗談
  • 価値観の共有:なぜこの商品をつくるのか、どんな人に届けたいのか
  • ライトな関係づくり:アンケートやコメントでの対話、ライブ配信

一方、広告は「誰に・どのタイミングで・どんな着地点へ」導くのかを設計してから配信することで、本来の力を発揮します。SNSで温まった見込み客にはリターゲティング広告で「予約販売の案内」を、まだ接点のない層には興味喚起用の動画広告で「ブランド認知」を、といった形で役割を分けておくと、無駄打ちを減らせます。

チャネル 主な役割 ゴール設定例
SNS 共感・ファン化 フォロワー1,000人 / ‍メルマガ登録へ誘導
広告 集客・購入 予約注文100件 / ‌カート追加率の改善

大切なのは、これらをバラバラに動かさず、Shopifyのストア設計とセットで考えることです。SNSプロフィールから商品ページではなく「ローンチ告知用LP」に誘導する、広告用の専用ランディングページを用意して計測タグを埋め込むなど、動線と計測をあらかじめ組み込んでおけば、オープン直後から「どのチャネルがどの成果を出しているか」を数字で検証しながら、スピーディーに次の一手を打てるようになります。

ミスしない配送と返品ルール 配送会社選定とポリシー文面を先に作っておく

ミスしない配送と返品ルール 配送会社選定とポリシー文面を先に作っておく

商品をカートに入れてから手元に届くまでの体験は、デザインや価格以上にブランドの信頼度を左右します。そこで、まず押さえるべきは「どの配送会社を使うか」と「どんなルールで届けて、どうやって返品を受けるか」をあらかじめ言語化しておくことです。感覚的に選ぶのではなく、想定する注文数や商品の特性(サイズ・重量・壊れやすさなど)をもとに候補を絞り込み、複数社に見積もりをとりましょう。特にShopifyでは配送アプリとの連携可否が実務に直結するため、システム面も含めて検討するのがコツです。

配送会社を比較する際は、送料だけでなく「遅延リスク」「問い合わせ対応」「追跡情報の見やすさ」など、体験全体を設計する感覚で見ていきます。例えば、配達指定可能時間帯や再配達のしやすさは、クレーム発生率と直結します。下記のような簡易テーブルを作り、候補を可視化しておくとチーム内の認識も揃えやすくなります。

項目 配送会社A 配送会社B 自社基準
基本送料 全国一律 800円 地域別 600〜900円 平均 750円以下
お届け日数 1〜3日 2〜4日 3日以内
時間指定 ◎ ◯ 19時以降必須
破損時補償 上限10万円 上限5万円 商品単価に対応

次に、サイト公開前に必ず用意しておきたいのが、配送ポリシーと返品・交換ポリシーです。ここが曖昧なままオープンすると、問い合わせ対応の度に条件がブレてしまい、「前はこうしてくれたのに」という摩擦を生みます。文面を考える時は、ユーザー視点で「注文前に知りたいこと」を逆算するのが有効です。代表的な項目としては、以下のようなものがあります。

  • 送料体系:一律か、地域別か、購入金額による送料無料ラインの有無
  • 発送までの目安:営業日ベースなのか、土日祝の扱いはどうするか
  • 配送可能エリア:離島・海外発送の可否と追加料金
  • 返品受付期限:到着から何日以内か、未開封のみなのか
  • 返品不可商品:セール品、食品、衛生商品などの例外ルール

返品・交換のルールは、「ユーザーにとってフェアであるか」と同時に、「運営として持続可能か」を必ず両立させます。過度に緩いポリシーは短期的に購入ハードルを下げてくれますが、長期的には利益率悪化や悪用リスクにつながります。逆に、厳しすぎるルールはカゴ落ちの大きな要因になります。そこで、たとえば以下のようなバランス設計が考えられます。

  • 初期不良や誤配送:返品送料は店舗負担で迅速に交換または返金
  • お客様都合(サイズ違い・イメージ違いなど):送料はお客様負担、ただし初回のみ柔軟に対応するキャンペーンを検討
  • 返品時の条件:タグ付き・未使用・到着から7日以内など、具体的なチェック項目を明記
  • 返金方法:クレジットカードへの返金なのか、ストアクレジット付与なのかを明確化

これらのルール文面は、Shopifyのポリシーページやフッターメニューに設置するだけでなく、カートやチェックアウト画面へのリンク、注文完了メールへの記載など、複数の接点で自然に目に入るように配置するとトラブル予防に役立ちます。さらに、運営マニュアルとして社内向けにも同じ文面と運用フローを共有しておくと、カスタマーサポート担当が変わっても対応品質がブレません。配送と返品のルールは、一度決めたら終わりではなく、クレーム内容やレビューの傾向を見ながら定期的にアップデートしていく”生きたドキュメント”として運用していきましょう。

まとめ

ECサイトは「作って終わり」ではなく、「決めてから始まる」ビジネスです。
今回挙げた5つのポイントは、どれも派手さはないかもしれませんが、Shopifyで長く売れ続けるための”土台”そのものです。

・誰に、何を、どんな価値として届けるのか
・どんな世界観・ブランドとして記憶されたいのか
・どこで、どうやって集客していくのか
・どのような仕組みで運営・改善を回していくのか
・数字をどう見て、どこを伸ばしていくのか

これらを言語化しないままストアを公開してしまうと、
「とりあえず作ったけど、なぜか売れないECサイト」になりやすくなります。

逆に言えば、この5つさえ自分の言葉で説明できるようになれば、
テンプレートやアプリの選定、デザインやコピー、広告戦略といった⁢
無数の”迷いどころ”に対して、判断軸を持てるようになります。

Shopifyは、アイデアを素早く形にできる強力なプラットフォームです。​
だからこそ、走り出す前の「考える時間」が、後から効いてきます。

PCの前で手を動かす前に、まずはノート一冊分、
あなたのECの”答え合わせ”をしてみてください。
その一手間が、半年後・一年後の売上と、あなた自身の納得感を大きく変えてくれます。

「何を売るか」だけでなく、「どんなECを育てたいのか」。
その輪郭が見えたとき、shopifyはきっと、あなたにとって一番心強い相棒になります。

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この記事を書いた人

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人あたりが柔らかく、共感力が高い。誰かが困っていると気づくのが早く、言葉選びも丁寧。場の緊張をほどくのがうまい一方で、芯は強く「これは違う」と思ったら静かに譲らない。コツコツ型で継続が得意。

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