オンラインストアで商品数が増えてくると、「どこに何があるのか分かりにくい」「お客様が欲しい商品にたどり着きにくい」といった課題が生じやすくなります。せっかく魅力的な商品を揃えていても、探しづらければ購入の機会を逃してしまいかねません。
Shopifyには、商品をわかりやすく分類・整理できる「コレクション」という機能があります。コレクションを適切に活用することで、ショップ内の導線が整い、お客様が目的の商品をスムーズに見つけやすくなります。また、季節やキャンペーンに合わせて商品をまとめることで、販売計画にも柔軟に対応しやすくなります。
本記事では、特別な技術知識がなくても取り組める、Shopifyのコレクション機能の基本と、日々の運営で活かしやすい整理のコツを解説します。商品数がそれほど多くない段階から役立つポイントも含めてご紹介しますので、「そろそろ商品整理を見直したい」「コレクションの使い方がいまいち分からない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- コレクションの基本概念とショップ運営における役割
- 自社商品の特徴に合わせたコレクション構成の考え方
- タグや商品タイプを使ったコレクションの整理方法
- 自動コレクションと手動コレクションの使い分けと設定のポイント
- トップページやメニューでのコレクション表示の工夫
- スマートフォン利用を意識したコレクションページの見せ方
- SEOを意識したコレクションタイトルと説明文の書き方
- 運用後のコレクション見直しと改善に役立つデータの確認方法
- まとめ
コレクションの基本概念とショップ運営における役割
コレクションは、Shopify上の商品を「見つけやすいまとまり」に整理するための仕組みです。タグや商品タイプ、価格帯などの共通点でグループ化することで、ショップ側は在庫を論理的に整理でき、購入者は自分に合う商品にスムーズにたどり着けます。とくに商品数が増えてくると、単純なカテゴリ分けだけでは探しづらくなるため、コレクションを軸にした整理は、ショップ運営の”地図”を描くような役割を果たします。
運営上の役割としては、単なる商品一覧以上の意味を持ちます。たとえば、
- 季節・イベント別(例:春の新作、母の日ギフト)での販売計画
- 購入導線の最適化(例:関連商品をまとめた「セットでおすすめ」)
- 在庫調整や販促(例:在庫過多商品のコレクションを作成し値下げを一括反映)
といった形で、マーケティングと在庫管理の両面から活用できます。ショップ全体のメニュー構成やバナーのリンク先も、どのコレクションに誘導するかを設計することで、購入者の行動を意図的にガイドしやすくなります。
| コレクションの種類 | 主な目的 | 活用例 |
|---|---|---|
| 定番カテゴリ | 常時の探しやすさ向上 | 「メンズアパレル」「キッチン用品」 |
| キャンペーン用 | 期間限定の訴求 | 「サマーセール」「週末限定セット」 |
| 顧客ニーズ別 | 目的ベースの提案 | 「初めての方におすすめ」「ギフト向け」 |
自社商品の特徴に合わせたコレクション構成の考え方
コレクション構成を考える際は、まず自社商品の「選ばれ方」を整理します。価格帯やカテゴリだけでなく、実際にお客様が比較している軸を洗い出すと、必要なコレクションが具体的になります。たとえばアパレルならサイズ感やシーン、コスメなら肌質や仕上がりの質感など、購入の決め手になりやすい切り口を優先して構造化します。ここで意識したいのは、社内の分類ロジックよりも「お客様がトップページから数クリックで目的の商品にたどり着けるか」という観点です。
- 利用シーンベース(例:仕事用・休日用・旅行用)
- お悩み・ニーズベース(例:敏感肌向け・収納力重視・軽量タイプ)
- スタイル・テイストベース(例:ミニマル・カジュアル・フォーマル)
- 定番/新作ベース(例:ロングセラー・季節限定・新入荷)
商品点数が増えてきたら、階層を意識しながら「ベースとなるコレクション」と「補助的な切り口のコレクション」を組み合わせていきます。下記のような構成イメージを作っておくと、ナビゲーション設計やメニュー登録時に迷いにくくなります。
| 想定ブランド | ベース構成 | 補助的なコレクション例 |
|---|---|---|
| アパレル | トップス / ボトムス / アウター | オフィス向け / 週末カジュアル / セットアップ対応 |
| コスメ | スキンケア / メイクアップ | 乾燥肌向け / 敏感肌向け / 初心者向けベーシック |
| 生活雑貨 | キッチン / バス・ランドリー / 収納 | 一人暮らし向け / ファミリー向け / 来客用 |
最後に、自社商品の特徴に合わせて「どのコレクションから見てもらいたいか」を明確にし、メインメニューやコレクションページ上部で優先度をコントロールします。たとえば機能性が強みならお悩み別コレクションを前面に出し、デザイン性が強みならスタイル別コレクションを入り口にする、といった形です。また、売上構成比やアクセスデータを見ながら、反応のよい切り口を残し、使われていないコレクションは統合・削除することで、運営側にも管理しやすいシンプルな構成を保てます。
タグや商品タイプを使ったコレクションの整理方法
コレクションを自動で整理したい場合、まず意識したいのが「タグの設計」です。タグは思いつきで追加するとすぐにバラバラになるため、あらかじめルールを決めておくと管理が楽になります。たとえば、サイズは size_S / size_M / size_L のように接頭語をそろえ、季節タグは season_SS / season_AW といった形で統一します。こうしておくと、自動コレクションの条件設定で迷いにくくなり、あとから条件を見直すときも「どのタグを使えばいいか」がすぐに分かります。
- 用途タグ:「gift」「sale」「new」など目的別のタグ
- 属性タグ:「size_S」「color_black」「material_cotton」など商品情報に紐づくタグ
- 販促タグ:「feature_top」「limited」などキャンペーンや特集用のタグ
一方で、タグだけで整理しようとすると管理が煩雑になる場合があります。そのときに役立つのが「商品タイプ」の使い分けです。商品タイプは大きな分類(例:トップス / ボトムス / アクセサリー)として固定的に運用し、タグはより細かい条件(色・素材・シーンなど)に絞ると、役割が明確になります。たとえば「商品タイプ=トップス」かつ「タグに”office”を含む」といった条件で自動コレクションを作ると、「オフィス向けトップス」だけを抽出でき、見た目にも分かりやすいカテゴリ構成になります。
| 分類要素 | おすすめの役割 | 自動コレクション例 |
|---|---|---|
| 商品タイプ | 大カテゴリ(アイテム種別) | 商品タイプが「シューズ」 |
| タグ | 詳細条件(色・用途・季節など) | タグに「running」「men」を含む |
| 組み合わせ | タイプ+タグの掛け合わせ | 商品タイプ「バッグ」かつタグ「travel」 |
運用面では、タグと商品タイプを「コレクション設計図」に落とし込むと迷いが減ります。たとえば、メインメニューに表示するのは商品タイプをベースにしたコレクションとし、その下層にタグ条件で作成した特集コレクション(「黒だけ」「ビジネス向け」「雨の日対応」など)を配置します。また、新商品を登録する際には「商品タイプを必ず1つ選ぶ」「必須タグ(色・サイズ・季節など)を付けてから保存する」といったチェックリストを用意すると、スタッフ間でタグのブレを減らせます。このように、タグと商品タイプの役割を分けてルール化することで、コレクションの自動整理が安定し、店舗全体の構成もわかりやすく維持できます。
自動コレクションと手動コレクションの使い分けと設定のポイント
効率的に商品を整理するには、まず「どのタイミングで商品が増減するのか」を基準に使い分けを考えるとわかりやすくなります。新商品や在庫の出入りが多いカテゴリ(例:季節商品、セール品など)は、条件に合う商品を自動で集めてくれる自動コレクションが向いています。一方で、「スタッフが厳選したおすすめ」「ブランドの世界観を表現した特集」など、人の目による選定が価値になる部分では、商品をひとつずつ追加する手動コレクションを使うと管理しやすくなります。
| タイプ | 向いているケース | 運用のポイント |
|---|---|---|
| 自動コレクション | セール、季節商品、新着、在庫連動 | タグ・商品タイプ・価格帯などの条件を事前に整理 |
| 手動コレクション | スタッフおすすめ、特集ページ、ブランド別 | 定期的な見直しと入れ替えのルールを決めておく |
実際の設定では、まず自動コレクション用に商品情報を揃えることが重要です。例えば、運用しやすいように以下のようなルールを決めておくと、後から条件を組み立てやすくなります。
- セール商品には必ず 「sale」 タグを付ける
- 季節商品には 「spring」 「summer」 など統一したタグを使う
- ブランド名は「ベンダー」や「商品タイプ」で表記を統一する
このようにラベル付けのルールを先に決めて共有しておくことで、新商品登録のたびに自動的に適切なコレクションへ振り分けられ、手動での修正作業を減らすことができます。
一方で、手動コレクションは「見せ方」をコントロールしたいときに活用します。たとえば、トップページから誘導する特集コレクションでは、単に条件に合う商品を並べるだけでなく、売れ筋・在庫量・見せたい順番を考えて構成すると、ページ全体の印象が整います。運用面では、次のような簡単なチェック項目を決めておくと、更新漏れを防げます。
- 月に1回、「売り切れのみのコレクション」がないか確認する
- シーズン終了の特集コレクションは、公開設定やメニューからの導線を見直す
- 新しく推したい商品が出たら、どの手動コレクションに追加するかを毎回決める
自動と手動を「どちらか一方」ではなく、「在庫連動や基礎的な整理は自動」「見せ場づくりは手動」と役割分担させることで、作業時間を抑えつつ、ショップ全体の見せ方をコントロールしやすくなります。
トップページやメニューでのコレクション表示の工夫
コレクションを整理しても、トップページやメニューでの見せ方が分かりづらいと、お客様は意外と辿り着いてくれません。まず意識したいのは、「お客様が最初に何を探しそうか」を軸にした配置です。たとえば、季節やイベントに関するコレクションはファーストビュー付近に大きめのバナーで配置し、通年で重要なカテゴリ(例:新着商品・定番人気)は、そのすぐ下に「カード型」で並べて視認性を高めます。ビジュアルを重ねすぎず、3〜6個程度の主要コレクションに絞って表示することで、迷わせない構成にできます。
- トップメニューには「大きなくくり(カテゴリ)」だけを配置する
- サブメニューでサイズ・価格帯・用途などの細かいコレクションに分岐させる
- モバイルではメニューを短く保ち、「もっと見る」リンクで詳細を補う
- コレクション名は専門用語を避け、お客様の言葉で分かりやすく記載する
| 配置場所 | おすすめコレクション例 | ポイント |
|---|---|---|
| ヘッダーメニュー | カテゴリ別コレクション (例:トップス / ボトムス) |
いつでもアクセスしやすい、定番の入口にする |
| トップページ上部 | 新作・期間限定・セール | 更新頻度が高いコレクションを目立たせる |
| トップページ中段 | ランキング・スタッフおすすめ | 迷っているお客様の「選びやすさ」を補う |
| フッター周辺 | サイズ別・価格別など細分化コレクション | 詳しく探したいお客様向けのサブ入口にする |
スマートフォン利用を意識したコレクションページの見せ方
スマートフォンでは、ファーストビューに収まる情報量が限られるため、「最初の数スクロールで何を見せるか」を明確に設計します。特にコレクションページでは、商品画像を大きくし過ぎて1画面あたりの点数が少なくなりすぎないように注意しつつ、一覧性と視認性のバランスをとることが重要です。たとえば、スマホ用テーマ設定でカードの縦横比を調整し、テキスト情報は最小限に絞る代わりに、ラベルやバッジで要点だけを強調すると、指先のスクロールで素早く比較できるページになります。
- フィルターとソートを画面上部に固定:折りたたみメニュー(アコーディオン)にして、「条件を絞る」ボタンから展開できるようにすると、省スペースかつ使いやすくなります。
- サムネイルの一貫性:スマホでは写真の印象が購買判断の大部分を占めるため、背景色・構図・トリミングを揃え、一覧で見たときの統一感を優先します。
- 情報の優先順位づけ:「商品名 → 価格 → バッジ(セール/新着など)」の順で見せ、説明文やバリエーション詳細は商品ページに委ねる設計にします。
| 要素 | PC表示 | スマホ表示の工夫 |
|---|---|---|
| 商品グリッド | 3〜4列表示 | 2列表示でタップしやすさを確保 |
| フィルター | 左サイドバー常時表示 | 画面上部のボタンからモーダルで展開 |
| テキスト量 | 短い説明文を表示 | 商品名と価格に絞り、詳細は商品ページに誘導 |
SEOを意識したコレクションタイトルと説明文の書き方
コレクションのタイトルは、ユーザーが検索に使いそうな言葉を自然に含めつつ、「誰向け」「どんなシーン」「どんな特徴」が一目で伝わることを意識します。単に「Tシャツ」ではなく、「メンズ無地Tシャツ|シンプルで毎日使える定番」のように、主キーワード+補足情報をセットにすると、検索結果でもクリックされやすくなります。逆に、意味の薄い形容詞を並べた「かわいい・オシャレ・人気」だけのタイトルは避け、実際の用途や素材、季節など、ユーザーが探すときに使う具体的な言葉を優先します。
- 主キーワード:ユーザーが検索しそうな商品カテゴリ名(例:マグカップ、ワンピース)
- 補足キーワード:性別・年代・シーンなど(例:レディース、ビジネス用、ギフト向け)
- 差別化ポイント:素材、デザイン、価格帯、世界観など(例:北欧風、オーガニック、プチプラ)
説明文は「検索エンジン向けの要約」であると同時に、「お客様への案内文」でもあります。最初の2〜3文でこのコレクションで解決できる悩みや、揃えている商品の特徴を簡潔に書き、その後に、扱っているアイテムの種類やおすすめの選び方を補足すると構成が整います。テキスト量は短すぎると情報不足、長すぎると読まれないため、200〜400文字程度を目安にしつつ、ページごとに最適なボリュームに調整していきます。
| 要素 | 意識するポイント | 例 |
|---|---|---|
| タイトル | 主キーワード+補足で簡潔に | 「北欧デザインマグカップ|ギフトに人気の食器」 |
| 1文目 | 誰向け・どんなシーンかを明確に | 「毎日のコーヒータイムを丁寧に楽しみたい方に向けたマグカップを集めました。」 |
| 本文 | 特徴・品揃え・選び方を具体的に | 「容量や持ち手の形など、使いやすさにこだわったアイテムを中心にご用意しています。」 |
運用後のコレクション見直しと改善に役立つデータの確認方法
コレクションを運用した後は、「感覚」ではなくデータをもとに見直すことが重要です。まずは、管理画面のアナリティクス>レポートや「行動レポート」で、どのコレクションがよく閲覧され、どの商品クリックにつながっているかを確認します。特に、閲覧数に対して購入数(コンバージョン率)が低いコレクションは、商品構成や並び順、コレクション名・説明文の見直し候補になります。また、検索機能やナビゲーションメニューからそのコレクションにどれだけ流入しているかも合わせて見ると、ショップ全体の動線の中での役割が把握しやすくなります。
- セッション数:コレクションページがどれだけ見られているか
- コンバージョン率:閲覧がどれだけ購入につながっているか
- 離脱率・直帰率:そのページで閲覧が止まっていないか
- 平均注文金額:特定のコレクション経由での客単価
- 検索キーワード:お客様が何を探してそのコレクションに来ているか
改善の判断材料として、コレクション別のパフォーマンスを一覧で把握しておくと便利です。以下のようなシンプルな管理表を作り、毎月またはシーズンごとに更新すると、どのコレクションを優先的に改善すべきかが明確になります。数値の変化を追いながら、並び順の変更やタグ条件の調整、新しいコレクションの追加・統合などを行うことで、ショップ全体の「探しやすさ」を継続的に高めることができます。
| コレクション名 | セッション数 | コンバージョン率 | 見直しポイント |
|---|---|---|---|
| 新作アイテム | 高い | 低い | 並び順・商品説明の強化 |
| ベストセラー | 中 | 高い | 関連商品・アップセルの追加 |
| セール品 | 低い | 中 | メニューからの導線強化 |
まとめ
本記事では、コレクション機能の基本から、タグや条件を使った自動化、ナビゲーションとの連携まで、商品を見つけやすくするための整理方法を整理してご紹介しました。
コレクションは、単に商品をグループ分けするための機能ではなく、お客様の「探しやすさ」を高め、ストア全体の回遊性を向上させるための重要な仕組みです。まずは「人気商品」「新着」「セール」といった分かりやすい切り口から少しずつ整備し、実際の検索キーワードや売上データを見ながら、コレクションの構成を見直していくと、無理なく改善を続けられます。
運用の中で、「商品数が増えてきて探しづらい」「どのコレクションが実際に見られているのか分からない」といった課題が出てきた場合は、コレクションの条件や名称、並び順を見直すタイミングと考えてください。小さな改善の積み重ねが、お客様にとってストレスの少ない購入体験につながります。
日々の更新作業の中で、今回ご紹介したポイントを一つずつ取り入れながら、自社の商品構成やお客様の行動に合ったコレクション運用を模索してみてください。

