オンラインショップの売上やリピート率を高めるうえで、「購入完了まで」の体験だけに目が向きがちですが、実はその後に表示される「サンキューページ」も重要な役割を担っています。サンキューページは、注文が完了したことを伝えるだけでなく、お客様に安心感を与え、次の行動(再訪問・会員登録・SNSフォローなど)につなげる場でもあります。
Shopifyでは、サンキューページに表示する内容を工夫することで、購入後の不安を減らしたり、ブランドへの信頼感を高めたりすることができます。特別な技術知識がなくても、注文情報の案内をわかりやすくしたり、よくある質問へのリンクを設置したりといった「ちょっとした一手間」で、お客様の満足度は大きく変わります。
本記事では、非エンジニアのショップ運営者の方でも取り組みやすい、Shopifyのサンキューページの基本的なカスタマイズ方法と、購入後体験を向上させるための具体的なアイデアをご紹介します。お客様が「買ってよかった」と感じる後押しとして、サンキューページをどのように活用できるのかを、順を追って解説していきます。
目次
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サンキューページをカスタマイズする目的と期待できる効?
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Shopify標準機能でできるサンキューページ編集の基本
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おすすめの表示コンテンツ 購入者目線で見直すべき情報とは
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アップセルとクロスセルを取り入れる際の注意点と具体例
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レビュー依頼や次回購入につなげる導線設計のポイント
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会員登録やメルマガ登録を自然に促すための工夫
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アプリ活用と外部ツール連携による運用しやすいカスタマイズ方法
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効果測定の方法と改善サイクルの回し方
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最後に
サンキューページをカスタマイズする目的と期待できる効?
購入後体験に特化したページを用意する目的は、「購入して終わり」にしないことにあります。お客様が注文完了直後に知りたいのは、配送状況だけではありません。安心して到着を待てる情報や、商品を最大限活用するためのガイドがまとまっていることで、購入後の不安や問い合わせを減らし、満足度を高められます。特に、サイズ感や使い方に迷いやすい商材では、説明コンテンツをまとめておくことで、返品・交換の発生率を抑えることにもつながります。
また、専用ページを整えることで、購入後のお客様との関係性を継続的に育てる土台にもなります。単に「おすすめ商品を並べる」のではなく、お客様が次に知りたい情報を順序立てて配置することが重要です。
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注文情報の確認
:注文番号、配送予定日、支払い状況の明示
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商品別ガイド
:よくある質問、使い方、ケア方法、サイズ調整方法
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サポート窓口
:チャット・メール・LINEなどの問い合わせ導線
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次の一歩
:会員登録、レビュー投稿、クーポンなどへの自然な誘導
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カスタマイズの狙い |
期待できる効果 |
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ステータス情報をわかりやすく表示 |
配送に関する問い合わせの削減 |
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使い方コンテンツを集約 |
初期不良と誤認される返品の低減 |
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レビュー投稿までの導線を整理 |
レビュー数の増加と信頼性向上 |
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ブランドストーリーの掲載 |
ロイヤルティと再購入意欲の向上 |
Shopify標準機能でできるサンキューページ編集の基本
まず押さえておきたいのは、「コード編集をしなくても」管理画面だけで変更できる範囲を理解することです。Shopifyでは、管理画面の
「設定」→「チェックアウト」
から、購入完了画面に表示されるテキストや連絡先情報の一部を調整できます。また、ブランド設定でロゴやテーマカラーを整えておくと、サンキューページにもそのブランドイメージが反映され、購入体験に一貫性を持たせることができます。大きなカスタマイズはできなくても、「何を伝えるか」を整理してから、標準の入力欄を丁寧に埋めていくことが重要です。
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注文概要の分かりやすさ
:商品名や数量、合計金額が見やすいか確認する
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問い合わせ先の明記
:問い合わせメールやヘルプページへのリンクを案内に含める
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配送目安の記載
:発送予定や到着までのおおよその日数をテキストで補足する
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ブランドトーンの統一
:サンキューメッセージも、他ページと同じ文体・敬語レベルに合わせる
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編集できる主な項目 |
設定箇所 |
運用のポイント |
|---|---|---|
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感謝メッセージの文言 |
設定 > チェックアウト |
「ご購入ありがとうございます」の後に、次のアクションを1つだけ明示 |
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連絡先・ポリシーリンク |
設定 > ポリシー |
返品・配送ポリシーを事前に整え、完了画面からも辿れる状態にする |
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ブランドロゴ・色 |
オンラインストア > テーマ > カスタマイズ |
サンキューページでも「どのショップで買ったか」が一目で伝わるようにする |
おすすめの表示コンテンツ 購入者目線で見直すべき情報とは
購入者がサンクスページで本当に知りたいのは、「この注文はちゃんと通っているのか」「いつ、どうやって届くのか」「何かあったときはどこに連絡すればよいのか」という点です。まずは、視認性の高い位置に
注文の確定状況
と
注文番号
、そして
支払い方法
と
配送先住所
をまとめて表示します。そのうえで、購入者が不安になりやすいポイントを補うため、簡潔な文章で「次に起こる流れ」を示すと安心感が高まります。
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注文のステータス
(例:受付完了/準備中)
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お届け予定の目安
(◯〜◯営業日など、幅を持たせた表現)
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問い合わせ窓口
(メール・チャット・電話のいずれか)
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会員・アカウント関連
(ログイン方法やパスワード再発行への導線)
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購入者が知りたいこと |
表示すると良い情報 |
|---|---|
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本当に注文できたか |
注文番号・確定メッセージ・注文内容の要約 |
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いつ届くのか |
出荷予定日・配送目安・追跡リンクの案内 |
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困ったときの連絡先 |
サポートメール・よくある質問ページへのリンク |
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自分に合った使い方 |
商品マニュアル・サイズガイド・ケア方法 |
加えて、購入直後はクロスセルよりも
「失敗しないための情報」
のほうが喜ばれるケースが多くあります。例えばアパレルであれば「洗濯時の注意点」、コスメであれば「パッチテストの方法」、食品であれば「保存方法や賞味期限の目安」といった内容です。このようなサポート情報を、テキストだけでなくシンプルな図やアイコン付きリストで整理しておくと、購入者は「ちゃんと長く使える」「安心して試せる」と感じやすくなり、結果的に返品やクレームの抑制にもつながります。
アップセルとクロスセルを取り入れる際の注意点と具体例
購入直後の画面に商品提案を追加する際は、「売り込み感」を抑えつつ、購入者の意図を尊重する設計が重要です。過度に高額なアップセルを表示したり、元の商品より質の劣る代替品を勧めると、信頼を損ないかねません。また、提案の数が多すぎるとユーザーは迷い、離脱の原因になります。目安としては、提案は
1〜2件に絞り
、文言も「今だけお得」ではなく「よく一緒に購入されている商品」のような中立的な表現を使うと、押しつけになりにくくなります。
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アップセル:
同じカテゴリで、少しグレードの高い商品を提案
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クロスセル:
購入商品をより便利に使える関連アイテムを提案
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条件分岐:
購入金額や商品カテゴリごとに提案内容を変える
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在庫管理:
在庫が少ない商品や予約商品は慎重に扱う
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シナリオ |
提案の種類 |
具体例 |
注意点 |
|---|---|---|---|
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スキンケアセット購入 |
アップセル |
通常サイズ→大容量ボトルを提案 |
価格差が大きすぎないようにする |
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ランニングシューズ購入 |
クロスセル |
専用ソックスやインソールを表示 |
色・サイズ選択が簡単な商品を選ぶ |
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コーヒーメーカー購入 |
クロスセル |
フィルターやコーヒー豆の定期便 |
定期購入は説明文を簡潔にまとめる |
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アパレル福袋購入 |
提案なし or 最小限 |
サイズフリーの小物のみ提案 |
選択肢を増やしすぎない |
レビュー依頼や次回購入につなげる導線設計のポイント
購入完了直後は、お客様の満足度が高く、情報にも目を通してもらいやすいタイミングです。このタイミングで、レビュー依頼や次回購入への導線を、押しつけ感のない形で自然に配置することが重要です。例えば、注文内容の下や配送情報の近くに、テキストリンクや小さめのボタンでアクションを用意すると、「ついでに」クリックしてもらいやすくなります。視覚的な優先度としては、注文情報 > サポート情報 > レビュー・次回購入関連、の順番を意識すると、離脱を防ぎつつ案内を行えます。
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レビュー依頼は「感謝+理由+所要時間」をセットで記載
「ご購入ありがとうございます」「サービス改善のため」「約1分で完了」など、お客様が行動しやすい情報をまとめて伝えます。
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レビュー投稿場所を明確にする
購入商品一覧の各商品名の近くに「レビューを書く」リンクを設置し、どの商品に対するレビューかがひと目でわかるようにします。
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割引よりも「体験価値」を前面に
「次回の方がお得」より、「好みの商品を見つけやすくなる」「サポートがスムーズになる」といった、体験の向上につながる理由を添えると、不自然な値引きに頼らず行動を促せます。
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導線の種類 |
設置位置の例 |
ポイント |
|---|---|---|
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レビュー依頼ボタン |
注文詳細の直下 |
目立ちすぎない色で配置 |
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次回購入クーポン案内 |
ページ下部の情報ブロック |
有効期限と利用条件を簡潔に |
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おすすめ商品のリンク |
購入商品リストの下 |
「関連性の高い3点まで」に絞る |
会員登録やメルマガ登録を自然に促すための工夫
購入完了直後は、ショップへの信頼度が最も高まりやすいタイミングです。この瞬間を活かして、負担感の少ない形で会員登録やメルマガ登録を提案すると、自然に次のアクションにつなげられます。たとえば、フォームの見出しを
「今後のお買い物をもっとスムーズに」
など、メリットが直感的に伝わる表現にすることで、「登録してほしい」ではなく「登録したほうが自分のためになる」という印象を与えられます。また、必須項目を最小限に絞り、サンキューページ上で入力完了までをシンプルに完結できる動線にしておくことも重要です。
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登録のメリットを具体的に書く
(例:購入履歴の確認/次回以降の住所入力を省略 など)
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「30秒で完了」など所要時間を明示
して心理的ハードルを下げる
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「任意」と「必須」を明確に分け、離脱につながる細かい質問は避ける
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チェックボックス1つでメルマガ登録が完了するように設計する
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配置パターン |
活用例 |
ポイント |
|---|---|---|
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注文情報の下 |
「注文内容を保存するためのアカウント作成」 |
明細確認の流れで自然に視線が届く |
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おすすめ商品の横 |
「おすすめをパーソナライズするための登録」 |
レコメンドと紐づけて利点を明確化 |
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ページ下部の目立つボックス |
「新商品・再入荷をメールでお知らせ」 |
購入完了の安心感のあとに穏やかに提案 |
アプリ活用と外部ツール連携による運用しやすいカスタマイズ方法
サンキューページを運用しやすく保つためには、テーマコードを大きく書き換えるよりも、目的別のアプリと外部ツールを組み合わせて「管理しやすい仕組み」をつくることが重要です。たとえば、レビュー依頼や次回購入クーポンの表示、会員登録の促進など、よく使う施策は専用アプリでまとめて管理すると、担当者の入れ替わりがあっても運用が途切れにくくなります。加えて、タグで出し分けを行えるアプリを選べば、特定の商品購入者だけにアンケートを表示する、といった柔軟な設定もノーコードで対応できます。
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メールマーケティングアプリ
:購入完了データを連携し、サンキューページでの登録内容を自動でセグメントに反映
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レビュー・UGCアプリ
:購入直後にレビュー依頼の予告を表示し、後日のメール開封率・投稿率を高める設計
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サーベイ・フォームアプリ
:購入理由や流入経路をサンキューページで回収し、広告運用や商品開発に活用
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用途 |
サンキューページでの役割 |
外部ツールとの連携例 |
|---|---|---|
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メール配信 |
メルマガ登録ボタンの設置 |
Shopify Flowでリスト自動追加 |
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顧客分析 |
簡易アンケートの表示 |
スプレッドシートやBIツールへ集計 |
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CS対応 |
FAQリンクや問い合わせ導線 |
ヘルプデスク・チャットツールとの連携 |
また、外部ツールと連携する際は、「誰が」「どの画面で」更新管理するかをあらかじめ決めておくと、運用が安定します。例えば、バナーやメッセージ文言はGoogleスプレッドシートで一元管理し、それを読み込むアプリを利用すれば、担当者はShopifyの管理画面を開かずに内容だけを更新できます。さらに、
毎月の施策チェックリスト
を用意して、クーポン有効期限・表示条件・文言の見直しを定期的に行うことで、「一度設定して終わり」ではなく、負担を増やさずに継続的な改善サイクルを回しやすくなります。
効果測定の方法と改善サイクルの回し方
サンキューページの効果測定では、まず「何を良くしたいのか」を明確にすることが重要です。代表的な指標としては、
再購入率
、
メール・LINE登録率
、
アップセル商品のクリック率
、
レビュー投稿率
などがあります。Shopifyの分析画面や、使用しているアプリのレポート機能を活用し、カスタマイズ前後の数値を比較しましょう。特に、流入経路やデバイス別の数値も確認すると、どの顧客層に施策が効いているのかが見えやすくなります。
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指標 |
目的 |
確認タイミング |
|---|---|---|
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再購入率 |
購入後体験の総合評価 |
1〜3か月ごと |
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メルマガ/LINE登録率 |
顧客接点の拡大 |
毎月 |
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アップセルCTR |
関連商品の訴求力 |
施策変更のたび |
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レビュー投稿率 |
信頼・口コミの獲得 |
キャンペーンごと |
改善サイクルを回す際は、次のようなシンプルな流れを徹底します。
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仮説を立てる:
「配送状況が不安だから、追跡情報を目立たせれば問い合わせが減るはず」など、理由と狙いを文章で残す。
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小さくテストする:
全顧客に一気に適用せず、特定の期間・キャンペーン・国に絞って試す。
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数値で判定する:
最低でも2〜4週間のデータを見て、以前の期間と比較する。
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良い施策を標準化する:
成果が出た要素はテンプレート化し、他の商品や言語にも展開する。
このとき、Shopifyのメモ欄やスプレッドシートを使い、
「いつ・何を変えたか」
を記録しておくと、後から「どの変更が効いたのか」を振り返りやすくなります。
最後に
本記事では、Shopifyのサンキューページを活用して、購入後体験をより良くするための考え方と具体的な工夫例を整理しました。サンキューページは、ただ「注文完了」を伝えるだけでなく、お客様との信頼関係を深め、次の行動につなげる重要な接点でもあります。
まずは、以下のようなポイントから少しずつ取り組んでみてください。
– お客様への感謝やブランドの想いを、シンプルにわかりやすく伝える
– 配送予定や問い合わせ方法など、「お客様が知りたい情報」を明確に載せる
– 関連商品やコンテンツをさりげなく案内し、自然な形で次の体験へつなげる
すべてを一度に完璧にしようとする必要はありません。まずは基本情報の整理や文言の見直しなど、運営者ご自身で調整しやすい部分から改善を重ねていくことで、自社らしい購入後体験が形になっていきます。
サンキューページの改善は、短期的な売上だけでなく、長期的な顧客ロイヤルティの向上にもつながります。定期的に内容を見直しながら、自店舗のお客様にとって最適な「購入後の案内」とは何かを検証し、運営に活かしていってください。
