Shopifyストアを運営していると、「ページの表示が少し遅い気がする」「画像もアプリも多いけれど、このままで大丈夫だろうか」と不安に感じることはないでしょうか。表示速度は、ユーザーの離脱率やコンバージョン率に直結するだけでなく、検索順位にも影響する重要な要素です。

近年、Googleは「Core Web vitals(コアウェブバイタル)」という指標を通じて、ウェブサイトの「使いやすさ」や「快適さ」を定量的に評価するようになりました。これは専門的な指標に見えますが、Shopifyストアの日々の運用においても無視できません。

本記事では、専門的なコード編集や開発知識がない方でも取り組みやすい「Shopifyストアの表示速度を改善する5つの施策」を、Core Web Vitalsの考え方とあわせてわかりやすく解説します。ストア運営者として、どこから手を付ければよいか、何を優先すべきかを整理するためのガイドとしてご活用ください。

目次

表示速度改善が必要かを判断するための基本チェックポイント

表示速度改善が必要かを判断するための基本チェックポイント

まずは、いまのストアが「本当に遅い状態なのか」を客観的に把握することが重要です。感覚だけで判断せず、ユーザー目線の体感スピードと、ツールで見える数値の両方を確認しましょう。具体的には、スマートフォンで自社サイトを開き、「ファーストビューが表示されるまでの時間」「商品画像がくっきり表示されるまでの時間」「カートや購入ボタンがタップできるようになるまでの時間」をチェックします。これらが3〜4秒以上かかる場合、離脱リスクが高まっている可能性があります。

上記のページは、表示が少し遅いだけでも売上に直結するため、優先的に確認します。Google AnalyticsやShopify標準レポートで、これらのページのセッション数・直帰率・コンバージョンをざっくり比較すると、「どこから着手すべきか」の目安になります。

確認項目 目安 改善優先度
モバイルでの読み込み体感 3秒以内でファーストビュー表示
主要ページの直帰率 60%を大きく超えていないか
PageSpeed Insightsスコア(モバイル) 50以下なら要検討

数値ツールとしては、PageSpeed InsightsShopifyの「オンラインストア速度」レポートを活用し、「モバイルのスコア」「LCP(メインの画像が表示されるまでの時間)」「CLS(レイアウトのズレ)」あたりを中心に見ると、Core Web⁢ Vitalsの観点からも改善の必要度が把握しやすくなります。ユーザーの体感とツール上の数値の両方で「遅い」と感じられる場合は、具体的な施策検討に進むタイミングです。

Core ‌Web Vitalsの基礎知識とShopifyにおける確認方法

まず押さえておきたいのは、Core⁤ Web Vitals(コアウェブバイタル)は「SEOの専門用語」ではなく、「お客様がストアをどれだけ快適に閲覧できるか」を数値化した指標だという点です。Googleは特に、LCP(Largest Contentful Paint)FID(First Input Delay)CLS(Cumulative ‍Layout Shift)の3つを重視しており、それぞれ「ページが目に見えるまでの速さ」「タップやクリックに対する反応の速さ」「画面のレイアウトがどれだけ安定しているか」を表します。難しい仕組みを理解する必要はなく、「ページがすぐ表示されるか」「ボタンがすぐ反応するか」「レイアウトが急にズレないか」という3点を意識すれば十分です。

指標 ユーザー視点での意味 おおよその目安
LCP メインコンテンツが見えるまでの待ち時間 2.5秒以内を目指す
FID タップやクリック後の反応の速さ 0.1秒以内を目指す
CLS ボタンや画像がどれだけズレないか 0.1未満を目指す

Shopifyストアでこれらの指標を確認する方法として、まずおすすめしたいのがGoogle PageSpeed Insightsです。ストアのURLを入力するだけで、PCとモバイルそれぞれのCore Web Vitalsが自動で測定され、「良好」「改善が必要」などの評価と具体的な改善提案が表示されます。また、Shopify管理画面の「オンラインストア > パフォーマンス」では、テーマやアプリの影響を含めたパフォーマンススコアを確認できます。日々の運営では、次のような流れでチェックすると把握しやすくなります。

さらに、より詳しく現状を知りたい場合は、Chromeブラウザの「Lighthouse」機能や、Googleが提供する「Search Console」の「ウェブに関する主な指標」レポートも有効です。Lighthouseでは、特定の商品ページやコレクションページ単位で詳細な診断ができ、テンプレートごとのボトルネックを見つけやすくなります。一方でSearch Consoleは、実際のユーザーの閲覧データに基づいた評価を確認できるため、「テスト環境では速いが、実際のお客様には遅く感じられているページ」がないかを判断する材料になります。運営の現場では、「月1回の定期チェック」+「大きな変更をしたタイミングでのスポットチェック」というリズムを作ると、無理なくCore Web Vitalsの改善状況を追いかけることができます。

不要なアプリとスクリプトを整理してページ読み込みを軽くする方法

不要なアプリとスクリプトを整理してページ読み込みを軽くする方法

テーマカスタマイズやアプリ追加を繰り返していると、実は使っていない機能やスクリプトがページ読み込みを重くしていることがよくあります。まずは管理画面で現在稼働しているアプリ・スクリプトを棚卸しし、「本当に売上や運営に必要か」「別のアプリと役割が重複していないか」を確認します。特に、フロントにバナーやポップアップを表示するアプリは、表示されるたびにスクリプトが読み込まれるため、優先度を慎重に見極めることが重要です。

確認ポイント 具体例 推奨アクション
表示回数 毎ページで常にポップアップ表示 表示ページを限定し、不要ページから外す
読み込みタイミング ファーストビュー前にスクリプト読み込み 遅延読み込み(遅らせてもよい機能)を検討
代替手段 簡単なバナーだけのためのアプリ テーマ標準機能やセクションで代用

画像サイズと形式を最適化して表示速度を向上させる手順

画像サイズと形式を最適化して表示速度を向上させる手順

画像はストアの印象を大きく左右しますが、同時に読み込みの重さにも直結します。まず行いたいのは、テーマで実際に表示される「表示サイズ」以上の解像度で画像をアップしないことです。たとえば、商品一覧で幅600pxまでしか表示されないのに、3000pxの画像をそのまま使うと無駄なデータ転送が発生します。実際の表示幅を把握したうえで、それに近いピクセル数にリサイズしてからアップロードするだけでも、読み込み速度は安定しやすくなります。

用途 推奨形式 ポイント
商品写真(背景あり) JPEG / ‌WebP 圧縮率を上げてファイルを軽くする
ロゴ・アイコン PNG / SVG 輪郭がくっきりしやすい
装飾用バナー WebP JPEGよりも軽量になりやすい

次に意識したいのが形式と圧縮の組み合わせです。Shopifyはテーマ設定やアプリを通じて自動圧縮を行えますが、元データがすでに大きすぎると効果が限定的になります。アップロード前にオンラインツールや画像編集ソフトで「画質がほぼ変わらない範囲」で圧縮率を高め、可能であればWebP形式に変換しておくと、Core Web VitalsのLCP(最大コンテンツの表示時間)改善につながります。また、不要な画像サイズや重複サイズを削除する整理の習慣をつけることで、メディア管理もシンプルになり、テーマの画像呼び出しミスによる速度低下も防ぎやすくなります。

Shopifyストアの表示速度を改善する5つの施策【Core Web Vitals対策】

1.画像の最適化

画像はウェブページのサイズに大きく影響します。Shopifyストアの表示速度を改善するための第一歩は、画像の最適化です。以下の手順で画像を軽量化しましょう。

2. サードパーティアプリの見直し

Shopifyストアで使用しているサードパーティアプリは、表示速度に大きな影響を与える可能性があります。頻繁に使用しないアプリや重いアプリは削除しましょう。

  1. ストア管理者ダッシュボードにアクセスします。
  2. 「アプリ」タブをクリックして、インストールされているアプリを確認します。
  3. 使用していないアプリをアンインストールします。

これにより、ロード時間を短縮し、Core Web Vitalsを改善できます。

3. フロントエンドコードの最適化

コードの最適化は、ページ読み込みのパフォーマンスを向上させる重要な要素です。以下の手法を用いて、フロントエンドコードを最適化しましょう。

4. キャッシングの活用

キャッシングは、ウェブサイトの表示速度を向上させるための効果的な手段です。Shopifyでは、次のようにキャッシングを利用できます。

5. テーマの見直し

選んでいるテーマが表示速度に与える影響は大きいため、パフォーマンスを重視したテーマに変更することもおすすめです。以下の点に注意してください。

Core Web Vitalsとは?

Core Web Vitalsは、ユーザー体験の向上を目的とした一連の指標です。以下の3つの重要な指標が含まれます。

指標 説明
LCP Largest Contentful Paint – ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間。
FID first Input Delay – ユーザーが最初の操作を行った際の反応速度。
CLS Cumulative Layout Shift – ページの読み込み中に発生する視覚的な不安定さ。

表示速度改善のメリット

Shopifyストアの表示速度を改善することで、以下のような多くのメリットを享受できます。

実体験に基づく成功事例

あるShopifyストアでは、画像の最適化とキャッシングを導入した結果、LCPスコアが60%改善されました。これにより、ショップの売上が3カ月で15%増加しました。この成功の鍵は、ユーザーの待ち時間を減らすための継続的な改善にあります。

実施前と実施後の比較

施策 実施前 実施後
LCP 4.0秒 1.6秒
FID 200ミリ秒 50ミリ秒
CLS 0.35 0.05

テーマ設定とセクション構成を見直してレイアウトシフトを減らすコツ

テーマ設定とセクション構成を見直してレイアウトシフトを減らすコツ

まず確認したいのが、テーマの「自動で変わる要素」がどこでどのくらい使われているかです。バナーの高さが読み込み中に伸び縮みしたり、フォントが読み込み後に切り替わったりすると、ユーザーがスクロールしている最中にレイアウトがずれてしまいます。管理画面の「オンラインストア > テーマ​ > カスタマイズ」からトップページを開き、読み込み直しながら「位置がずれるパーツ」に注目してみてください。特に、ファーストビュー直下のセクションでレイアウトシフトが起きると、Core Web Vitals の評価に影響しやすくなります。

次に、セクション構成をできるだけシンプルに整えることが有効です。重要な情報を上に、補足的なコンテンツを下にまとめることで、不要な入れ替えや「後から出てくるブロック」を減らせます。設定画面では、以下のような観点で見直してみてください。

また、画像やバナーにはあらかじめ表示サイズを決めておくと、読み込み中も枠が確保されるため、要素が押し下げられる現象を防げます。テーマによっては「高さ(px)」や「アスペクト比」を指定できるので、できるだけ固定値に近い設定を選びましょう。参考として、よく使うセクションの目安をまとめると、次のようになります。

セクション 推奨設定の目安 レイアウトシフト対策
ヒーローバナー 16:9 など一定のアスペクト比 PC・スマホ共通の比率を固定
コレクション一覧 画像比率を「正方形」や「縦長」に統一 商品名は2行以内に収まるように整理
おすすめ商品 1行あたりの商品数を固定 在庫バッジやラベルの種類を絞る

フォントとアイコンの読み込みを最適化して初回表示を安定させる方法

フォントとアイコンの読み込みを最適化して初回表示を安定させる方法

ストアの「最初の見え方」を安定させるうえで、テーマで使うフォントとアイコンの扱い方はとても重要です。特に、上位プランでなくても使いやすいシステムフォントの活用と、どうしてもブランドフォントを使いたい場合の読み込み優先度の調整がポイントになります。たとえば、ロゴや見出しだけにブランドフォントを使い、本文は読み込みの速いシステムフォントにするだけでも、初回表示のブレやチラつきが大きく減ります。

対象 おすすめ設定 効果
本文フォント システムフォントに統一 読み込みをほぼゼロに
見出し・ロゴ 必要なウェイトだけWebフォント ブランド感と速度の両立
アイコン SVGスプライト‌ or ⁢アイコンフォント リクエストをまとめて削減

定期的な計測と改善サイクルを回すための運用ルールづくり

定期的な計測と改善サイクルを回すための運用ルールづくり

表示速度の改善は「一度やって終わり」ではなく、継続して状況を把握し、小さく改善を重ねていくことが重要です。そのためには、いつ・誰が・どの指標を・どのツールで確認するかをあらかじめ決めておくと運用が安定します。たとえば、週に一度の定期チェックと、月に一度の振り返りミーティングをルール化し、数値の推移と行った施策を簡単に記録しておくと、後から「どの改善が効いたのか」を判断しやすくなります。

頻度 実施内容 担当
毎週 主要ページのスコア確認とスクリーンショット保存 運用担当
毎月 数値の推移確認と改善テーマの洗い出し 運用+制作担当
四半期ごと テーマ・アプリ構成の見直しと不要要素の整理 責任者+制作担当

ルールづくりのポイントは、「専門知識がなくても回せる仕組み」にしておくことです。たとえば、スコアの目標レンジアクションの基準をあらかじめ決めておくと、現場の担当者が迷わずに動けます。

また、運用ルールは「数値」と「ビジネス側の判断」を結びつけることが重要です。たとえば、キャンペーンでポップアップやバナーを増やすと速度が落ちるケースがありますが、「CVR改善」と「速度悪化」をセットで確認することで、どこまで表示要素を増やすかを現実的に判断できます。定期計測で得られたデータを、施策の優先度付けや、デザイン・アプリ導入の判断材料として共有する運用にしておくと、チーム全体でブレの少ない改善サイクルを回し続けることができます。

The Way forward

本記事では、Shopifyストアの表示速度を改善し、Core ⁢Web Vitalsへの対応につなげるための主なポイントを整理しました。

表示速度の改善は、一度で完了する「作業」ではなく、ストア運営とあわせて継続的に見直していく「運用」の一部です。新しいアプリの追加やデザイン変更、画像の差し替えなどを行うたびに、速度への影響が出ていないかを確認することが大切です。

まずは、次のような取り組みから優先順位をつけて進めてみてください。

– 画像サイズや形式の見直し
-‍ 不要なアプリやスクリプトの整理
– テーマ設定やセクション構成のシンプル化
– ⁤計測ツール(PageSpeed ‌Insights など)での定期チェック

専門的なコード編集が必要な部分については、無理に自分で対応しようとせず、制作パートナーや開発者への相談も検討するとよいでしょう。

表示速度が改善されると、ストアの使いやすさが向上し、結果として離脱率の低下やコンバージョン率の改善にもつながります。本記事を参考に、自社ストアに合ったペースで、できるところから取り組んでみてください。

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