グローバル市場への進出は、多くのEC事業者にとって「いつかは取り組みたい」と考えつつも、具体的な一歩を踏み出しづらいテーマのひとつです。言語や通貨、物流、カスタマーサポートなど、国内販売とは異なる検討事項が一気に増えるため、「自社にはまだ早いのではないか」「専門知識がないと難しそうだ」と感じる方も少なくありません。
しかし、近年はShopifyを活用することで、中小規模の事業者でも比較的スムーズに海外販売を始め、成果を上げる事例が増えています。本記事では、「Shopifyでグローバル展開を進め、18ヶ月で収益を300%伸ばした」ケースを軸に、具体的にどのようなステップを踏み、どのような工夫を行ったのかを整理してご紹介します。
専門的な開発スキルがないShopify運営担当者の方でもイメージしやすいよう、設定や運用のポイントをできるだけ平易な表現で解説していきます。これから海外販売を検討している、あるいはすでにShopifyストアを運営しており、次の成長ステージとしてグローバル展開を視野に入れている方の参考になれば幸いです。
目次
- グローバル展開の全体像と18ヶ月で収益300%増加に至るまでのプロセス
- ターゲット国選定と市場調査の進め方
- 多言語対応とローカル文化を踏まえた商品ページ最適化
- 海外向け価格設定と通貨・税金・送料の設計ポイント
- 越境ECにおける決済手段と信頼感を高めるストア構成
- 海外配送と返品ポリシーの整備による顧客満足度向上
- グローバル広告とSNS運用で成果につなげる集客戦略
- 主要指標のモニタリングと施策改善サイクルの回し方
- Key Takeaways

グローバル展開の全体像と18ヶ月で収益300%増加に至るまでのプロセス
まず、海外売上の成長を「運任せ」にしないために、18ヶ月をおおまかに3つのフェーズに分けて設計しました。前半6ヶ月は、ターゲット市場の選定と越境ECの土台づくりに集中します。ここでは、アクセス解析と既存顧客データから「ニーズがありそうな国」を見極め、最初から世界中に広げるのではなく、2〜3カ国に絞り込みました。そのうえで、Shopifyのマルチ通貨・多言語設定を最小限からスタートし、翻訳・決済・配送の3点だけを優先的に整えることで、過度なカスタマイズを避けています。
- 0〜6ヶ月:ターゲット国選定、基本設定、最小限の商品・ページ翻訳
- 6〜12ヶ月:現地向け施策の強化(価格調整、プロモーション、レビュー獲得)
- 12〜18ヶ月:利益性の確認、新市場追加、オペレーション最適化
| 期間 | 主なテーマ | 指標の例 |
|---|---|---|
| 0〜6ヶ月 | 基盤づくり | 海外CVR、カート離脱率 |
| 6〜12ヶ月 | 伸ばす施策 | 国別売上比率、リピート率 |
| 12〜18ヶ月 | 利益の最適化 | 粗利率、配送コスト率 |
次の6ヶ月では、選定した国ごとに「売れる形」に近づけるための調整に注力しました。特に効果が大きかったのは、現地通貨に合わせた価格帯の見直しと、各国のよく使われる決済手段の導入です。また、海外用の商品ページは国内向けをそのまま翻訳するのではなく、「素材」「サイズ感」「お手入れ方法」など、現地の購入者が不安になりやすいポイントを補足する形で書き直しました。この段階で、広告費を急激に増やすのではなく、まずは自然検索とSNSからの流入で反応を見ることで、広告投下の優先国を判断しています。
- 価格・送料の見直し:現地の競合と比較しつつ、割引ではなくセット販売や送料無料ラインで調整
- レビュー・UGCの活用:海外購入者の声をトップページと商品ページに反映
- カスタマー対応:よくある質問を整理し、多言語FAQとテンプレート返信を準備
最後の6ヶ月では、すでに手応えのある国にリソースを集中し、「規模を増やしても崩れない仕組み」を整えました。ここでは、利益が残る国とそうでない国を数字で切り分け、配送方法や倉庫の見直しを含めて、チャネルごと・国ごとに優先順位を整理しています。また、Shopifyレポートとスプレッドシートを組み合わせ、月次で「国別の売上・利益・返品率」をチェックする運用を標準化しました。その結果、売上だけでなく、利益ベースでも18ヶ月で約3倍の伸びを維持しつつ、サポート担当者1名でも運営可能な状態に落ち着かせることができました。
| 国 | 重点度 | 主な施策 |
|---|---|---|
| 米国 | 高 | 広告強化、在庫前倒し |
| EU圏 | 中 | 配送ルール整理、関税表示 |
| その他 | 低 | 自然流入中心で様子見 |

ターゲット国選定と市場調査の進め方
まず最初に行うべきことは、「売れそうな国」ではなく「続けて売りやすい国」を見つけることです。自社商品の実績データ(売れ筋カテゴリ、客単価、リピート率)を整理し、それと相性の良い市場を候補に出します。そのうえで、言語・通貨・物流・カスタマーサポートのハードルをざっくり評価し、最初の1〜2カ国に絞り込みます。ここでは専門的なツールを使わなくても、Shopifyのアクセス解析や既存のお問い合わせ履歴、SNS経由のアクセス元を確認するだけでも、優先すべき候補国のあたりをつけることができます。
- アクセスデータ:どの国からの閲覧が多いか
- 購入率:特定の国からの注文が既にあるか
- 運用しやすさ:言語・時差・決済手段の対応難易度
- 物流条件:送料・配送リードタイム・返品対応のしやすさ
| 候補国 | 需要の見込み | 参入ハードル | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 米国 | 大(アクセス多い) | 中(競合多い) | 高 |
| シンガポール | 中(単価高め) | 低(英語対応のみ) | 中 |
| ドイツ | 中(ニッチ需要) | 高(言語・法規制) | 低 |
候補国を絞ったら、次は「どの商品を、いくらで、どのように売るか」を見極めるための簡易調査を進めます。非テクニカルな運営者でも、以下を押さえるだけで、十分実務に使えるレベルの情報が集められます。
- Google検索で商品の英語・現地語キーワードを調べ、現地ECの価格帯と商品レビューを確認する
- InstagramやTikTokで、類似商品のハッシュタグ投稿を見て、利用シーンやユーザー層を把握する
- 現地通貨での適正価格を、「競合価格 ±10〜15%」の範囲でテスト候補としてメモしておく
- 配送にかかる日数と送料を、競合がどの程度許容されているか(レビューの不満点など)から逆算する
最後に、収集した情報をShopifyの運用計画と結びつけます。たとえば「英語だけでスタートして、反応が良ければローカル言語を追加する」「初期は越境配送で、一定件数を超えたら現地フルフィルメントを検討する」といった段階的な前提を、あらかじめ決めておきます。ここで重要なのは、完璧な調査を目指すよりも、「3〜6ヶ月で検証→数字を見て次の国へ広げる」というサイクルを設計することです。この考え方があると、多少の不確実性があっても、Shopify上での設定やコンテンツ作成を進めやすくなります。

多言語対応とローカル文化を踏まえた商品ページ最適化
海外向けの商品ページでは、単に自動翻訳アプリを入れるだけでは不十分です。まず意識したいのは、「どの言語で・どの通貨で・どの単位で」表示するかを国ごとに整理することです。特に、サイズ表記(cm / inch)や重量(kg / lb)、価格の表現方法はコンバージョンに直結します。たとえば、アメリカ向けには inch と lb、ヨーロッパ向けには cm と kg を使い分けることで、購入時の不安を減らせます。以下のようなテーブルで、ターゲット市場ごとの基本設定を一度整理しておくと、運用の見落としが減ります。
| 地域 | 通貨 | サイズ単位 | 言語 |
|---|---|---|---|
| 北米 | USD | inch / lb | 英語 |
| 欧州 | EUR | cm / kg | 英語 + 現地語 |
| 日本 | JPY | cm / kg | 日本語 |
次に重要なのが、文化や購買習慣に合わせた情報の優先順位です。日本では「素材・安全性・機能説明」が読まれやすい一方、欧米では「使用シーンの写真」や「レビュー・星評価」が重視される傾向があります。管理画面でコレクションテンプレートや商品テンプレートを分け、地域ごとに強調するブロックを切り替えるだけでも成果は変わります。たとえば、海外向けにはファーストビューのすぐ下にレビューとユーザー写真を配置し、日本向けには詳細な仕様表とよくある質問(FAQ)を上位に持ってくる、といった調整です。
また、文章のトーンや表現も、翻訳前提で設計しておくと効率的です。直訳しづらい言い回しや和製英語を避け、短くシンプルなコピーで統一すると、多言語化後のブレが少なくなります。運用の観点では、次のようなポイントをチェックリストとして用意しておくと、担当が変わっても品質を維持しやすくなります。
- 自動翻訳 + 人の目での最終チェックを行う体制があるか
- サイズガイド・素材情報・注意書きが各地域の基準に合っているか
- レビュー表示や支払い方法アイコンが市場ごとに適切か
- 祝日・セール時期など、現地カレンダーに合わせたバナーや文言になっているか

海外向け価格設定と通貨・税金・送料の設計ポイント
海外向けの価格を設計する際は、「為替リスク」「想定利益率」「現地の購買力」の3つを最低限押さえておくと、後からの値上げ・値下げを減らせます。特にShopify Marketsを使う場合、基準通貨(多くはJPYかUSD)を決め、そこから他通貨へ自動換算+手動微調整という流れがおすすめです。為替は日々変動するため、自動レートを前提にしつつ、主要マーケット(例:北米、EU、東南アジア)ごとに「端数を切り上げて利益幅を確保する」か、「現地競合の価格帯に合わせてマージンを削る」かを決めておくと、意思決定がシンプルになります。
- 基準通貨:まずは自社が損益管理しやすい通貨を1つ決める
- レートの扱い:Shopifyの自動換算を軸に、主要通貨だけ手動で丸める
- 税込/税抜表示:国・地域ごとの表示慣習(EUは税込、日本は税抜が多い等)を踏まえる
- 関税・輸入税:Duties & Import taxes を「チェックアウト時に徴収するか/到着時に顧客負担にするか」を方針として明文化
- 送料:粗利を削らない最低送料ラインと「送料無料」の閾値(金額 or 点数)をあらかじめ決める
| 地域 | 価格設定の目安 | 税金・配送のポイント |
|---|---|---|
| 北米(USD) | 競合と近い価格帯+心理価格($29.90 等) | 基本は税抜表示、一定額以上で送料無料がお客様に分かりやすい |
| EU(EUR) | VAT込みの税込価格を前提に設計 | 国別VAT率に注意し、チェックアウト時に自動計算を徹底 |
| アジア(多通貨) | USD基準で換算し、現地購買力を見て±5~10%調整 | 配送リードタイムと送料のバランスを重視し、追跡ありプランを基本にする |

越境ECにおける決済手段と信頼感を高めるストア構成
海外ユーザーの購入完了率を高めるには、「どの決済手段を用意するか」と同じくらい「どのように見せるか」が重要です。まずは、各国で利用率の高い決済を優先的に導入し、表示順も工夫します。例えば、米国ではクレジットカードとPayPal、EUではKlarnaやiDEAL、中国向けにはAlipayやWeChat Payといったように、ターゲット国ごとに“当たり前にあるべき”決済を揃えることで、カート離脱を抑えられます。また、通貨表示は必ずローカル通貨を基本とし、チェックアウト直前で別通貨に切り替わらないよう、テーマ設定と通貨アプリの挙動を細かく確認します。
信頼感を高めるストア構成として、トップ・商品ページ・チェックアウト直前の3箇所で「安心材料」を一貫して見せることが有効です。具体的には、フッターや商品ページに以下のような要素を配置します。
- セキュリティバッジ:SSL、主要カードブランド、決済プロバイダのロゴ
- 返品・返金ポリシー:国際配送での返品条件を簡潔に明記
- 関税・送料の案内:「支払い時にすべて含まれる」か「到着時に別途発生する」かを明示
- カスタマーサポート情報:対応言語・対応時間・問い合わせフォームの導線
これらを「ページごとにバラバラに置く」のではなく、配置ルールを決めてパターン化することで、ユーザーはどのページでも迷わず情報にアクセスできます。下記のようなテーブルで、自社ストアの現状と目標構成を整理しておくと、実装漏れを防ぎやすくなります。
| 要素 | 表示ページ | 現状 | 改善方針 |
|---|---|---|---|
| 対応決済一覧 | フッター / カート | トップのみ | カートにもロゴ表示 |
| 返品ポリシー要約 | 商品ページ | テキストが長い | 3行に要約+詳細ページリンク |
| 関税・送料説明 | カート / チェックアウト前 | 未掲載 | 国別の簡易メッセージを追加 |

海外配送と返品ポリシーの整備による顧客満足度向上
海外向けの販売では、まず「どこの国に、どの方法で、どのくらいの期間で届くのか」を明確に示すことが重要です。配送プロファイルやゾーンを整理し、主要な販売国ごとにわかりやすい条件を用意すると、カゴ落ちが大きく減少します。特に、送料や関税の発生タイミングについては曖昧さを残さないことがポイントです。たとえば、チェックアウト前に推定送料とお届け目安を表示するだけでも、顧客の不安をかなり抑えることができます。
- 送料とお届け目安:国・地域ごとに簡潔に表示
- 関税・輸入VAT:店舗負担か顧客負担かを明記
- 追跡情報:追跡番号の有無と確認方法を案内
| 地域 | 配送方法 | 目安日数 | 返品送料 |
|---|---|---|---|
| 北米 | 追跡ありエコノミー | 5〜9日 | 一部店舗負担 |
| 欧州 | 宅配便+関税事前精算 | 4〜8日 | 顧客負担 |
| アジア | 宅配便 | 3〜6日 | 店舗負担(条件付き) |
返品ポリシーについては、国内と同じルールをそのまま海外に適用するとトラブルになりやすいため、あらかじめ「海外専用ルール」を用意しておくと運用が安定します。たとえば、再販が難しいカテゴリ(食品、コスメなど)は海外からの返品不可とし、アパレルやアクセサリーは「到着から30日以内」「未使用・タグ付きのみ」など条件をシンプルに限定します。また、Shopifyの自動メールに返品ポリシーへのリンクを差し込んでおくと、問い合わせを減らしつつ、顧客にとっても確認しやすい導線になります。
- 対象外商品の明確化:衛生商品・セール品など
- 期間と条件:日数・状態・必要な梱包を具体的に記載
- 返金方法:ストアクレジットか元の支払い方法かを分けて運用
対応言語と表示の仕方も、満足度とクレーム件数に直結します。長文の規約を多言語で完璧に整えるのが難しい場合は、「要点を短くまとめた各国向けの説明+日本語または英語の正式ポリシー」という二段構えにすると、運用コストを抑えつつ一定の安心感を提供できます。商品ページ、カート、フッター、FAQに同じ内容へのリンクを配置し、どの導線からでも同じ情報にたどり着けるようにしておくと、問い合わせ前に自己解決してもらえるケースが増え、結果的に顧客満足度とリピート率の向上につながります。
- 多言語の要点まとめ:英語+主要販売国の簡易説明
- 表示場所の統一:フッター/FAQ/注文確認メール
- 更新ルール:料金改定や提携配送業者の変更時に同時更新

グローバル広告とSNS運用で成果につなげる集客戦略
海外向けの売上を伸ばすうえで、広告とSNSは「並行して設計する」のがポイントです。まずはターゲット市場ごとに、どの国でどの商品をどの価格帯で売るのかを明確にし、そのうえで広告チャネルとSNSチャネルを役割分担させます。たとえば、広告は「新規顧客の獲得」に特化させ、SNSは「ブランド理解と信頼の醸成」に集中させる、といった形です。特にshopifyでは、地域別のコレクションや通貨設定と連動させることで、広告のリンク先とSNSのプロフィールリンクを統一し、離脱を減らすことができます。
- Meta広告(Facebook/Instagram):認知とコンバージョンの両方を狙える主力チャネル
- Google広告:検索ニーズが明確なユーザーの獲得に有効
- TikTok・YouTubeショート:動画で使用イメージを伝え、SNSからECへの導線を構築
- Shopify連携アプリ:商品フィードやピクセル計測を自動同期し、運用負荷を軽減
| チャネル | 主な目的 | 成果指標 |
|---|---|---|
| Meta広告 | 新規顧客の獲得 | CPA・ROAS・追加売上 |
| Instagram運用 | ブランド理解・ファン化 | 保存数・プロフィール遷移数 |
| Google広告 | 購入意欲の高い流入 | コンバージョン率・検索語句の質 |
| TikTok/YouTube | 利用シーンの訴求 | 再生完了率・サイト流入 |
運用段階では、広告とSNSの数字をバラバラに見るのではなく、Shopifyの売上データと合わせて「どの組み合わせが利益に貢献しているか」を確認します。例えば、広告経由の初回購入単価が低くても、SNSフォローからのリピートが増えていれば、LTVベースでは十分に見合う場合があります。実務的には、週次で国別・チャネル別の売上と広告費を簡単な表にまとめ、成果のよい国に予算を寄せ、反応の薄い国はクリエイティブとターゲットを見直します。これを18ヶ月ほど継続して調整することで、無理な拡大を避けながら、安定して収益を伸ばしていくことが可能になります。

主要指標のモニタリングと施策改善サイクルの回し方
海外向けストアの収益を18ヶ月で安定して伸ばすには、「なんとなく良さそう」ではなく、日次・週次で見る数字の”型”を決めておくことが重要です。おすすめは、売上だけでなく、必ず「トラフィック → 商品ページ → カート → 購入」の流れで、各ステップの転換率を見ることです。たとえば次のようなシンプルな指標セットに絞ると、ダッシュボードも迷わず運用できます。
- セッション数(国別/チャネル別)
- 商品ページ閲覧率(セッションのうち商品詳細を見た割合)
- カート追加率・チェックアウト到達率
- コンバージョン率・平均注文額・リピート率
- 主要国ごとの返品率・キャンセル率
| 頻度 | 見る指標 | 目的 |
|---|---|---|
| 毎日 | 売上・セッション・CVR | 異常値の早期発見 |
| 毎週 | 国別パフォーマンス | 予算配分・広告調整 |
| 毎月 | LTV・リピート率 | CRM・施策の見直し |
数字を眺めるだけでは施策は回りません。ポイントは、あらかじめ「指標が〇%変動したら、何を試すか」を決めておくことです。たとえば、カート追加率が特定の国だけ低い場合は、まずその国向けに次のような軽いテストから始めます。
- 商品ページ:サイズガイドの現地化・送料条件の明記
- カート〜チェックアウト:利用可能な決済手段の追加・エラー文言の翻訳見直し
- 集客:広告の訴求文・ランディングURLの調整
テストは1〜2週間の短いスプリントで区切り、必ず事前に「改善のゴール」と「評価指標」を決めておきます。例えば「USのカート追加率を2.0%→2.4%に改善」「EUの返品率を1ポイント削減」のように、目標を数値で定義します。施策実行後は、同じ期間・同じ条件で指標を比較し、結果が良ければ恒常施策としてテンプレート化し、他の国・他のコレクションにも展開します。結果が出なかった施策は「やらないリスト」に明記して、チーム内で共有すると、同じ失敗を繰り返さずに施策サイクルを高速に回せます。
Key Takeaways
本記事では、Shopifyを活用して18ヶ月で収益を300%伸ばした事例をもとに、グローバル展開を進めるうえでの重要なポイントを整理しました。
– 自社の強みと海外ニーズを丁寧にすり合わせること
– サイト構成や商品情報、決済・配送など、基本要素を「現地視点」で見直すこと
– 広告やSNSに頼りきらず、リピーターやLTV向上を意識した施策を積み重ねること
– データを用いて小さく検証し、うまくいった施策を段階的に拡大していくこと
これらは特別なテクノロジーや大規模なチームがなくても、運用方針とプロセスを整えることで実行可能な内容です。
グローバル展開は、一度の施策で大きな成果を狙うよりも、仮説と検証を繰り返しながら、各市場に合わせて改善を積み重ねていく取り組みです。まずは、現在のストア運営の中で「海外向けに転用できる部分」と「見直しが必要な部分」を洗い出すところから始めてみてください。
本記事の内容が、Shopifyを通じて海外市場に挑戦する際の検討材料や、社内での議論のきっかけになれば幸いです。




